リーンスタートアップは時代遅れと言われる理由!手法までを徹底解説

多くの企業が、作られては潰れる。

特に不況と言われる現代では、単に起業すれば稼げるような時代でもありません。

そんな現代において、リスクを下げた起業方法として
「リーンスタートアップ」
があります。

しかし、このリーンスタートアップに対して、時代遅れという意見もあります。

今回は、このリーンスタートアップの手法や、なぜ時代遅れと言われる事があるのかをまとめていきます。

この記事を読む事で、自分にとって適切な方法での起業が可能になるでしょう。

リーンスタートアップとは

リーンスタートアップについての詳細は、以前の記事に記載していますので、是非ご参照ください。

リーンスタートアップとは?MVPって何?アジャイル開発とは違うの?わかりやすく解説

ここでは簡単に説明しますが、
「リーンスタートアップとは、最低限の製品や資源で起業をする」
という考え方です。

最低限の機能を持たせた製品を、販売し、顧客の反応や市場の変化に即座に対応しながら、その製品の価値を高めていきます。

時代の変化が早い昨今、このようなスモールスタートの考え方が注目されているのです。

リーンスタートアップが時代遅れと言われる理由

ただ、このリーンスタートアップという考え方を、すでに「古いもの」「今では役に立たない物」という考え方もあります。

一見すると、最低限の製品でスモールスタートすることは、リスクも低く、理にかなっている様に感じます。

更に、ユーザーの声を拾いながら、製品改良が出来る点も、大きなメリットと感じられます。

では、なぜ「時代遅れ」と言われることがあるのでしょうか?

マーケットフィットを重要視していない

リーンスタートアップでは、製品を市場に出した後に反応を見ていきます。

そのため、マーケットフィットを重要視していないという見方もされています。

マーケットフィットとは、製品やサービスがどのようなマーケットの需要に合致しているのかを表すものです。

製品を先に出して、マーケットの様子を見る。

このリーンスタートアップの方法では、マーケットを無視した状態で製品開発をしているとも取れるのです。

「物を作れば売れる」

こういう時代なら、リーンスタートアップでも良かったのかも知れませんが、物が売れない時代では、先にマーケットを分析し、マーケットに合わせた商品を作っていく、いわゆる
「マーケットイン」
の考え方の方が、適切だと考える人も多いです。

だからこそ、リーンスタートアップが時代遅れと言われつつあるのです。

合わない業界もある

業界や製品によっては、リーンスタートアップが向かない可能性があります。

例えば、セキュリティを売りにした製品の場合、ユーザーが求めるのは、
「最低限のセキュリティ」
ではなく、
「最大限のセキュリティ」
である可能性が高いです。

ブランド力も実績も、更には経験も無い製品を使うことには、多くのリスクを伴います。

また、その特性上、
「ちょっと失敗した」
が許されない物です。

そのため、時間と労力をかけて設計、開発をしていくべき製品と言えます。

こういった性質の製品や業界では、リーンスタートアップが向かない可能性があるのです。

マイナス評価が拡散される可能性

2つ目の理由は、マイナス評価の拡散です。

今の時代、多くの人がSNSを利用しています。

SNSは、誰もが気軽に投稿でき、フォロワーが多い、いわゆるインフルエンサーの場合には、メディア並の影響力を誇ります。

このような時代において、未完成な製品をリリースしてしまうと、マイナス評価が拡散される可能性があります。

その後の追加開発で、そのイメージが払拭出来れば良いのですが、悪いレッテルを貼られた商品が、そのイメージを覆すのは難しいです。

結局、新しく商品をリリースするよりも、多くの時間と労力がかかる可能性があります。

そのため、リリースする製品にもよりますが、拡散力の高い現代では、すでに時代遅れという意見が出てくるのです。

そもそも顧客からのフィードバックを的確にもらえない

顧客からのフィードバックを前提とした方向転換が、リーンスタートアップの特徴とも言えますが、この
「顧客からのフィードバックを的確に貰えるか」
という点に欠陥があるとも言われています。

多くの人が経験したことがあると思いますが、アプリの使用中に、レビューを頼まれるポップアップが出てきますが、殆どは無視しているのではないでしょうか。

わざわざ今やっている作業を止めてまで、他人の製品にレビューをしたいのか。

よほどのクレームがあれば、レビューをするかも知れませんが、可もなく不可もない場合には、レビューをしない人も多いです。

そのため、フィードバックそのものに問題があるとも取れるのです。

大幅な方向転換がユーザーの負荷になることも

ユーザーの反応を見ながら方向転換が容易なリーンスタートアップですが、裏を返せば、ユーザーは
「度重なる変更に対応する必要がある」
事になります。

単なるデザインだけなら良いですが、少し前まで使えていた機能そのものがなくなるなどは、ユーザーへの負担になります。

これにより、顧客離れが起こる可能性や、前述のような悪評が拡散されるリスクがあります。

リーンスタートアップの手法

では、実際にリーンスタートアップをする際には、どのような手法で行われるのでしょうか?

アイデアの検証

最初に、自分たちが提供したいと考えている商品やサービスを考えます。

この時、市場規模や競合の情報などを分析して、最低限必要な機能や、それに必要なリソース(ヒト・モノ・カネ)を計算していきます。

特に、納期やリリースの日程、後続の測定などのスケジュールもある程度は事前に決めておくべきでしょう。

また、通常の製品開発では、

リリース前:大量のリソースを使用
リリース後:最小限のリソースを確保

となりますが、リーンスタートアップはスタートの段階では最小限の機能しかなく、その後の追加開発が前提となっているので、リリース後のリソースには特に注意しておきましょう。

構築

次に、仮説を立てて検証するための最小限の機能を備えたMVP(Minimum Viable Product)を開発します。

可能な限り早くプロトタイプの完成をし、リリースさせることを目的にします。

計測(ユーザーからのフィードバック)

次に、ユーザーからのフィードバックを得て、その内容を製品に反映させるために動きます。

この時のユーザーからのフィードバックが最も重要で、
「フィードバックの信頼性」
が、今後の開発における重要な役割を担っています。

単にメールでアンケートフォームを送るだけでは不十分ですし、直接利用者に会って話を聞く位の事をすると、人件費倒れの可能性も出てきます。

また、利用者の属性や製品によっても、最適なフィードバック方法は変わってきますので、最適な方法の選定と、十分な期間・予算を確保しておきましょう。

追加開発

続いて、このフィードバックを元に、追加の機能をつけていきます。

ITシステムであれば、アジャイル開発での開発が一般的で、細かい仕様は開発を進めながら決めていきます。

特にデータベース定義やエラーチェックハンドリングなどは、後からでも追加が可能ですので、スケジュールの組み方はしっかりと考えておくべきでしょう。

このときの注意点としては
「最低機能しか持っていない製品を、ずっと使い続けるユーザーはいない」
ということ。

リリース後すぐから、製品離れが起こることを想定し、出来るだけ早い段階で次の機能のリリースを出来るように開発を進めていきます。

ただし、急ぐあまり粗悪な機能を追加したり、バグだらけのものをリリースしてしまうと、ネガティブなブランディングになってしまうため、ここも注意しておきましょう。

ピボット

最終的に、ユーザーからのフィードバックを繰り返し受けながら、製品の追加開発を行っていきますが、この時に必要があれば、
「ピボット」
をします。

ピボットは、バスケットボールのピボットターンのように、軸足を残したまま方向転換をすることを指します。

場合によっては大胆な変更が必要になるかも知れませんが、
「だめな部分」
だけではなく
「今の段階でユーザーに受け入れられている部分」
にも注目した上で、今の顧客の事を考えながら変更をしていきます。

後は何度も繰り返す

ここまで来たら、後は
「ユーザーのフィードバック」「追加開発」「ピボット」を繰り返していきます。

その中で、マーケットに合った製品にしていくか、同業他社が目を向けていなかった新しい機能や、ニッチなジャンルへの参入も検討していきます。

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今回は、リーンスタートアップが時代遅れと言われる理由や、具体的なリーンスタートアップの手順を見てきました。

確かに、時代の変化が早い現代では、このリーンスタートアップが時代遅れと言われる理由もわかります。

物が売れない時代に、マーケットインではなく、プロダクトアウトで製品を作っていくことには、適していないという見方もできます。

ただ、どちらが正解ということはなく、製品やジャンル、競合他社との関係によって変わる部分も大きいので、状況次第でリーンスタートアップは有効だと考えられます。

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