ネイティブアプリとWebアプリはどう違う?メリット・デメリットなどを解説

スマートフォンの普及によって、現代の私たちは日常的にアプリケーションを利用しています。

スマートフォンで利用できるアプリケーションには、大きく分けて「Webアプリ」と「ネイティブアプリ」があります。

Webアプリと比べて、ネイティブアプリという言葉にはあまり馴染みがないかもしれません。

現在はさらに、両者の特徴をあわせ持った「ハイブリッドアプリ」や「PWA」などが登場しています。

そもそも、ネイティブアプリとは何なのか、他の形式とどう違うのかと疑問に思う人も多いでしょう。

そこでこの記事では、この形式の製品について、そのほかの形式との違いを中心に、活躍している場面や、メリット・デメリットを解説していきます。

合わせて、「ハイブリッドアプリ」と「PWA」についても、かんたんに紹介します。

ネイティブアプリとは?Webアプリとは?

そもそも、ネイティブアプリやWebアプリとはどのようなものなのでしょうか。

ここでは、この種類のものの解説と合わせて、新たな形として注目される「ハイブリッドアプリ」「PWA」についてもみていきましょう。

Webアプリ

Webアプリとは、Web上で見ることの出来るシステムを言います。

一般的には、サイトやブログとは別ものと考えられますが、どちらもグーグルクロームやIE(Edge)・サファリのようなWebブラウザを使って閲覧するものです。

サイトやブログとの大きな違いとしては、DBを利用するなどいわゆるフロントエンドで完結しないような仕組みの事を良い、ネットショップやクラウドサービスなどは、このWebアプリに分類されます。

しかし、近年ではサイト上にネットショップ機能を持たせたり、ブログをワードプレスにてDB管理するなど、その境界は曖昧になりつつあります。

ネイティブアプリ

ネイティブアプリは、かんたんに言うとスマートフォン向けアプリケーションの総称です。

デバイスにアプリをインストールするには、iPhoneであればApp Store、AndroidなどであればGoogle Playといった「アプリケーションストア」からダウンロードします。

最初だけはインターネットに接続する必要がありますが、一度インストールすればデバイス上でいつでも使うことができるのが、このアプリの特徴です
(TwitterやInstagramといったSNSアプリなど、例外もあります)。

そのほかの大きな特徴として、そのプラットフォーム(iOSなど)に最適化されていることが挙げられます。

そのため、カメラや顔認証など、プラットフォームと使用端末が持つ機能を最大限に活用することができます。

ハイブリッドアプリ

アプリケーションの種類には、「ハイブリッドアプリ」というものも存在します。

これは先ほどのふたつの形式の特徴を併せ持ったもので、複数のプラットフォームに対応しながら、カメラやマイクなど、スマートフォンの機能を活用することができます。

また、アプリケーション内でWebブラウザを使用することができるという特徴も持っています。

現在は、このハイブリッドアプリがスマートフォン向け製品の主流になりつつあります。

PWA

PWA(Progressive Web Apps)は、ネイティブアプリのように利用できるWebアプリのことを指します。

PWAはデバイスにインストールして使いますが、特定のストアを通さず、URLなどで直接アクセスすることができます。

そのため、メッセージなどから簡単に利用できるという利点があります。

以前から存在する形式ではありますが、開発の自由度の高さや、アクセスのしやすさなどから、近年注目を集めるアプリケーション形式です。

ネイティブアプリとWebアプリの違い

ネイティブアプリと一般的なWebアプリには、さまざまな違いがあります。

ここでは、特に大きな違いである「動作」と「運営」について解説します。

動作環境

このふたつの形式の最大の違いとして、動作環境が挙げられます。

前者はスマートフォンなどのデバイス上で、後者はその名の通りインターネット上で動作するよう設計されています。

SNSなどの例外はありますが、ネイティブアプリの場合は基本的にオフラインであっても利用することができます。

動作速度

Webアプリはインターネット上で動作するため、動作速度はネットワーク環境に影響されます。

一方のネイティブアプリの場合は、使用端末の処理能力のみに依存するため、一般的にはWebアプリよりも動作が速いとされています。

ただし、アプリにデータをインストールする際に、まとめて時間がかかる場合もあります。

ゲームアプリなどで、イベントが開始された時にアップデートやイベントのダウンロードが必須になる場合がわかりやすいパターンでしょう。

プラットフォーム審査と宣伝方法

ほかの形式と違って、ネイティブアプリはAppleやGoogleが運営するストアから配信されます。

そのため、この形式の製品のリリースにはプラットフォーム審査を受ける必要があります。

開発の自由度という点では、Webアプリが優れているといえます。

また、両者には宣伝方法の違いもあります。

Webアプリは、主に利用者が検索エンジンを使ってリーチするので、コンテンツマーケティングのような、コストの低い宣伝が可能です。

対してネイティブアプリは、ストアからインストールするという形式のため、広告を出すといった高コストの宣伝がメインになります。

ネイティブアプリが活躍するサービス

ネイティブアプリには、その端末の機能を活用できるという特徴があります。

この特徴をふまえて、この形式の製品が活躍するサービス分野を解説します。

プッシュ通知機能を使ったサービス

スマートフォンの特徴的な機能として、プッシュ通知機能があります。

この機能は、この形式においてもっとも活用されています。

SNSやメッセージの更新はもちろん、たとえばスケジュール管理では、前もって設定しておくことで、仕事や勉強をするときに、休憩するタイミングなどを知らせてくれます。

位置情報機能を使ったサービス

スマートフォンに搭載されたGPSによる位置情報機能を活用したサービスも、この形式の製品が活躍する場面です。

天気予報アプリでは、地域を設定する手間をはぶき、いまいる場所の雨雲レーダーなどを確認することができます。

また、保護者が子供に持たせる見守りアプリでは、子供がいまどこにいるのか、トラブルなく登下校できているかなどを見守ることができます。

カメラ機能を使ったサービス

カメラ機能を活用した製品としては、自撮り写真の加工アプリが挙げられます。

一般的なカメラで撮影した写真をPCに取り込んで加工するよりも、ずっと手軽にさまざまな加工を施すことができるアプリは、多くの人に人気があります。

また、生体認証の一種である顔認証機能によって本人確認をするといった、セキュリティ対策を敷いている製品も増加しています。

FACE IDなど生体認証を使った仕組み

以前記事にした生体認証

も、ネイティブアプリの機能を使った仕組みと言えるでしょう。

これは、サービスの便利さという意味合いよりも、セキュリティ機能の向上などに役立ちます。

ネイティブアプリのメリット

ここからは、この形式におけるメリットとデメリットを解説していきます。

まずはメリットからみていきましょう。

スマートフォンに搭載されたさまざまな機能が利用できる

この形式の製品を利用することにおける最大のメリットは、プッシュ通知、GPS、カメラなどのデバイス機能を利用できることです。

プッシュ通知機能を使ったスケジュールアプリや、GPSを活用した見守りアプリ、さらにカメラ機能と連携した加工アプリなど。

これらは、端末の機能をフル活用した製品です。

さらには、パスワードに取って代わるセキュリティ対策として、さまざまなアプリケーションでも顔認証や指紋認証などが採用されることが増えてきていますが、これらも、端末の機能とアプリケーションが連携することで実現できたことです。

利用者の呼び込みがしやすい

他の形式のものとは違い、ネイティブアプリはアプリケーションストアから配信されます。

ストア運営による審査が必要ではありますが、これは強力に利用者を呼び込めるということでもあります。

通常は利用者が検索エンジンを用いて自発的にアクセスしなければなりませんが、この形式ではストアの一覧やランキングに掲載されますし、キーワード検索でも呼び込むことができます。

利用者がリーチしやすいというのも、大きなメリットです。

利用者を繋ぎとめやすい

ネイティブアプリは、一度インストールすればスマートフォンのホーム画面にとどまります。

そのため、アクセスへのコストがWebアプリと比べて低く、長期的な利用を期待することができます。

さらに、プッシュ通知を活用することで、利用者に製品の使用を促すことが可能なので、利用者を繋ぎとめやすいというメリットがあります。

ネイティブアプリのデメリット

この形式の製品にはさまざまなメリットがある一方、開発側としてはWebアプリほどの自由度がなく、いくつかのデメリットも存在します。

配信するのに審査が必要

通常の開発や製品リリースについては、いくつかの法律をのぞいて、これといったレギュレーションはありません。

この形式の製品は、ストアから配信しますが、そのためにはストアに設けられた審査をクリアする必要があります。

審査内容はストアによって異なるため、幅広い利用を求めるのであれば、あらゆる審査に対応しなければなりません。

特にAppleが運営するApp Storeはレギュレーションが厳しく、また審査にかかる時間も長いことで知られています。

こうしたハードルを乗り越えなければ配信ができないというのが、ネイティブアプリのデメリットとして挙げられます。

実際に、大きなコストをかけて開発したものの、何度申請しても審査が通らず、プロジェクトが頓挫したという事例は珍しくありません。

なお、審査が必要なのは最初に配信をするときだけでなく、アップデートの際にも審査をクリアしなければなりません。

新規利用者の獲得が難しい

 多くのWebアプリと違ってインストールしなければならないため、利用を開始するまでのハードルが高いです。

また、配信場所も決められたストアに限られるため、新規利用者の獲得が難しいというデメリットがあります。

宣伝方法を工夫しなければ、膨大な宣伝コストがかかることも珍しくありません。

強力な導線が確保できる反面、この形式でリリースするのには、上記のような問題があるのです。

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今回は、ネイティブアプリについて書いてきました。

ネイティブアプリにするか、Webアプリにするか、どちらも運用するか。

予算や戦略によっても最善策は異なってきます。

また、今後は更に多くの技術が出てくることが予想されているだけに、時代の変化にあわせて最適なIT戦略を取っていくことが不可欠でしょう。

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