ビッグデータはクラウドサービスで管理出来る?AWSやAzureでも出来る簡単データ管理

IT技術が急速に発展する中、ビッグデータの活用が注目を集めています。

ビッグデータを正しく扱うことで、これまでにない視点でのデータ分析をすることができるようになりました。

企業の成長、および競争の優位性を保つためには、ビッグデータの活用は必須であるといっても過言ではありません。

しかし、ビッグデータを扱う上では注意が必要です。

その名の通り大量のデータを取り扱うことになりますので、データの活用方法についてはもちろんのこと、それに加えてデータの管理方法などについても注意を払う必要があります。

最近は、多くのクラウドサービスが登場し、ビッグデータを扱うためのツールも登場しています。

今回の記事では、awsやazureといったクラウドサービスの利用を前提に、ビッグデータの管理・運用、および活用事例などについてご紹介をします。

ビッグデータをクラウドで管理することのメリット

まず始めに、ビッグデータをクラウドで取り扱うことについてのメリットを解説します。

ビッグデータというと、自社サーバーを用意して管理するというイメージを想定される方もいるかもしれません。

しかし、自社で管理するのではなく、クラウド上で管理をすることで数多くのメリットがあります。

ではどのようなメリットがあるのかをご紹介します。

初期費用、およびランニングコストの削減

1つ目のメリットは低コストでの運用ができるという点です。

オンプレミスのように自社サーバーを設ける場合には、ハードウェアの準備やストレージの構築など、相当な費用が発生します。

しかし、クラウドサービスであればサーバーもストレージも既に用意されているため、これらの費用が発生することはありません。

また、バックアップを委託することができるので、運用開始以降の保守・メンテナンス費用についても低コストで済みます。

クラウドサービスを使うことによるサービス料金は利用アカウント数に応じて発生しますが、自社サーバーを設けるよりも格段にランニングコストを抑えることが可能になります。

維持管理における運用負荷の軽減

2つ目のメリットは運用負荷の軽減です。

クラウドサービスであれば保守メンテナンスの作業を削減することができるので、時間コストや人的コストを抑えることができます。

ビッグデータは一般的に大容量のハードウェアにデータを保存、管理しています。

保存するデータは日に日に増えていくため、一度ハードウェアを構築しても容量を拡大していく必要があります。

オンプレミスのように自社でサーバーを構築・管理している場合には、インフラの拡大に伴う作業量は膨大です。

その点クラウドサービスであれば自分たちでインフラ整備をおこなう必要がありません。

また、サービスの提供側は利用環境のアップデートを適宜おこなっていきます。

そのため常に最適な環境下でサービスを利用することができるなど、利用者にとって負担を大きく抑えることが可能となります。

その他、利用するミドルウェアのバージョンが上がれば、それを都度通知してくれるなど、管理コストは非常に低くなります。

人材の適正かつ有効な活用

3つ目のメリットは人材の有効活用ができることです。

上述したように、オンプレミスの場合は運用面において多大な負荷を伴う反面、クラウドサービスであればそれを抑制することが可能です。

保守メンテナンスに割いていた時間を削減することで、別の業務に時間を割り振ることができるようになります。

空いた時間をデータ分析やビッグデータの活用推進に振り分けることで、クリエイティブな業務の発掘、および人材の育成に繋がっていくことが期待されます。

また、ビッグデータの活用推進をすることができれば、経営上の重要な意思決定に携わるような貴重なデータを発見したりと、企業全体にとって好循環を生み出すことができるかもしれません。

クラウドサービスの種類

ここまでビッグデータをクラウドサービスで管理することのメリットについて解説しました。

では、クラウドサービスにはどのような種類があるのでしょうか。

ここでは代表的なクラウドサービスを2つご紹介します。

AWS

1つ目がAWSといわれるクラウドサービスです。

AWSとはAmazon Web Servicesの略で、Amazonが提供しているクラウドサービスのことをいいます。

AWSはAmazonが販売をしていることから知名度が高く、数あるクラウドサービスの中でも多くのシェアを占めています。

そのため、他のクラウドサービスと比較してサポート体制なども充実しているという利点があります。

AWS多くのサービスを有しており、ストレージ、データベース、データ分析、 AIによる機械学習など、豊富な機能が備わっています。

Azure

2つ目がAzureといわれるクラウドサービスです。

Microsoftが提供しているクラウドサービスになります。

シェアについてはawsに劣りますが、日本国内でも大企業を含めた多くの企業で採用されているサービスです。

Windowsサーバーに加え、ExcelやWordなどのMicrosoft officeツールとの親和性が高く、親しみ易い、取り扱い易いと感じるユーザーが多いといわれています。

AWS同様に多くのサービスを有しており、ストレージ、サーバー構築、データ分析など、豊富な機能を取り揃えています。

AWSとAzureを使ったビッグデータの活用事例

次にAWSやAzureを用いることでどのようにビッグデータを管理、活用できるのか、それぞれのサービス内容に沿って解説をします。

AWSの事例

『Amazon Simple Storage Service(S3)』というサービスがあります。

これはAWSのストレージサービスです。

データをクラウド上に保管することができ、いつでもどこでも編集や更新をすることが可能です。

また、大容量データの保存に優れており、データが増えてもキャパシティを気にする必要はなく、ストレージの拡張性に優れているという利点があります。

耐久性にも優れており、長期間の運用が可能です。

ビッグデータを保管するにはうってつけのサービスです。

次に紹介するのは『Amazon Elastic Map Reduce(EMR)』というサービスです。

大量のデータを高速で処理することができます。

このサービスを用いることで、データの処理を効率化できるだけでなく、機械学習によるデータ分析も可能です。

販売予測、需要予測、業務改善など、ビッグデータを活用するにあたって、親和性の高いサービスだといえます。

Azureの事例

Azureには『Azure Storage』というサービスがあります。

これは先に述べたAWSのS3のような、Azureのストレージサービスです。

大容量のデータを長期にわたって保存することができます。

Excelなどで保存していたデータについても効率良く管理することが可能です。

次に紹介するのは『 Azure  Applied AI Services』というサービスです。

AIとビッグデータを掛け合わせて活用することで、ビジネスにおける課題の特定、分析情報の抽出などをおこなうことができます。

ビッグデータをクラウドで管理する上での今後の課題

AWSやAzureのようなクラウドサービスを利用することで、ビッグデータを有効かつ効果的に活用することができるだけでなく、データの保管という観点からも効率良くおこなうことができます。

一方でクラウドサービスの利用にあたっては課題もあります。

ではどのような課題があるのか、ここではクラウドサービスを利用する上で気をつけるべき点を解説します。

独自のカスタマイズが困難

1つ目の課題は、独自のカスタマイズができないことです。

オンプレミスの場合、管理運用の面で負担が大きいことを解説しましたが、一方でその企業の特色や企業風土に沿ったオリジナルのカスタマイズをすることが可能です。

しかしクラウドサービスの場合は、そのサービスを開発した企業のクラウド環境を間借りするイメージになりますので、独自のカスタマイズをすることができません。

全く融通が効かないわけではありませんが、あくまでもサービス提供側の環境に依存することになります。

クラウドサービスの導入を検討する場合には、業界の特色や企業風土などを見極めた上で、本当に自社にマッチするのかを判断する必要があります。

サーバーの安定性とセキュリティ対策

2つ目の課題はサーバーの安定性、およびセキュリティ面についてです。

クラウドサービスを利用するのは1社だけではありません。

他ユーザー企業も同じインフラ環境を共有するため、アクセスが集中した時などはシステムパフォーマンスが低下する恐れがあります。

これに加えて、サービス提供元のシステム障害などが発生した場合などは、クラウドサービス自体が一時的に使用できなくなることも起こり得ます。

リスク管理を自身でコントロールできず、サービス元に依存せざるを得ない点は注意が必要です。

また、クラウドでビッグデータを取り扱うにあたっては、不正アクセスや情報漏洩などにも注意が必要です。

AWSやAzureなどのクラウドサービスは高度なセキュリティ対策がなされていますが、サービスごとに内容は異なります。

クラウドサービスの利用にあたっては、各社それぞれのセキュリティ対策を確認した上での検討をすべきです。

この時の対応策として、社内のPCの端末管理なども重要になります。

クラウドサービスは、ネットさえ繋がっていれば、どこからでもアクセス自体は可能です。

ということは、外出中に営業マンが端末を紛失した場合に、そのPCを使ってログイン・・・という事も考えられます。

そうならないための体制を整えておく必要があるでしょう。

サービスの安定性・永続性

3つ目はサービスの安定性と永続性についてです。

クラウドサービスの提供元の都合により、そのサービスが突如として利用できなくなる可能性があります。

提供元は当然ビジネスとしてサービスを取り扱っているため、採算が合わない場合はサービスの中止をすることがあるかもしれません。

倒産リスクがあることも否定できません。

これらの発生リスクを踏まえた上で、クラウドかオンプレミスかの検討が必要になります。

倒産やサービス終了までいかなかったとしても、費用が急に上がる、費用によって速度制限がかかるなど、変動するリスクは存在します。

ネット環境が前提

クラウドサービスである以上、ネットに繋がっている事が前提になります。

どこからでもアクセスできるというメリットがある反面、
「ネットが繋がっていないと仕事にならない」
というリスクも存在します。

これが、仮にオンプレミスでビッグデータを管理していた場合は、社内ネットワークさえ動いていれば、仕事は出来ます。

ですが、クラウドサービスの場合は、一時的に業務がストップしてしまう危険性もあるのです。

社内の既存のシステムとのデータ連携が難しい場合も

AWSやAzureに、データの格納を一方的に行うのは容易かもしれません。

しかし、
・その分析結果を定期的に社内のDBに格納する
・情報をリアルタイムに近い状態で同期する
・別のクラウドサービスと同期する

など、運用方法次第ではデータの連携が難しい場合があります。

例えば、先程例に挙げたAmazon Elastic Map Reduceでは、一部機能をAPIとして公開しています。

このAPIを活用すれば、データのやり取りがプログラムで自動がすることが出来ます。

しかし、「他のサービスでもAPIを利用できるか」や「APIの制限で一部出来ない処理がある」という風に、自由度が低いのもAPIの特徴です。

サービスによっては、サーバーの負荷を軽減するために、一度のリクエストで100件のレコードしか出力できない・・・などの制限がある場合もあります。

そのため、データの格納と併せて、活用方法についても、事前にしっかりと設計する必要があります。

ビッグデータの活用ならAMELAに

今回は、ビッグデータ活用するためのクラウドサービスについて見てきました。

これからの時代、ビッグデータの活用は、多くの企業で必要な内容になります。

一方で、ただ単にデータを大量に持っているだけで、その活用方法が全く分からないという企業様も多いです。

そんな時は、是非AMELAにご相談下さい。

今の御社の状況から、
「ビッグデータの管理をオンプレミスとクラウドのどちらを利用するべきか」
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といった相談まで、幅広く対応いたします。