IoTでは何ができる?そもそもIoTとは?具体例を合わせて簡単に解説します

スマートフォンの普及とともに、日常生活に深く浸透しているIoT。

日常生活以外にも、医療現場や製造業、農業、交通などの分野でも、IoTが取り入れられています。

いまや、IoTは社会全体で活用される、必要不可欠な技術となりました。

ですが、IoTの存在は知っていても、IoTがどのようなものなのか、いまいちピンとこないという人も多いのではないでしょうか。

この記事では、そもそもIoTがどんな技術なのか、そしてIoTで何ができるのかを解説します。

IoTとは

IoTは登場以来、様々な場面で活用されています。

そうした具体例などの前に、そもそもIoTが何なのかについて解説します。

IoT(Internet of Things)

IoT(アイ・オー・ティー)は、「モノのインターネット」と訳される「Internet of Things」の略です。

「Internet of Things」という言葉は、「あらゆるモノがインターネットに繋がれる」という「ユビキタス」の研究で知られる、ケビン・アシュトン氏が考案しました。

いわゆる「ユビキタス社会」は、IoTとAIによって、次第に現実のものとなっています。

インターネットの登場から1990年代まで、インターネットは会社や自宅などに設置されたコンピュータとLANなどの通信機器を用いて接続するものでした。

それが技術の発展にともない、携帯電話などによって、どこでもインターネットに繋がることができるようになりました。

現在は、スマートフォンの普及もあいまって、インターネットは当たり前の存在です。

そんなインターネットに、電化製品や自動車、工場の機械から接続して、様々なことを行う技術が、IoT(Internet of Things)です。

現在、世界では250億台のIoT機器が使用されている

20年ほど前に登場したIoTは、インターネットの普及とともに、世界中に広がっています。

総務省の統計によると、2020年時点で、世界では約250億台のIoTデバイスが稼働していて、2023年には340億台まで増加すると予想されています。

(出典:https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r03/html/nd105220.html)

IoTが導入されている業界も多岐にわたるため、IoTの重要度はさらに増していきます。

M2MやICTとの違い

IoTと似た技術に、「M2M」や「ICT」というものがあります。

どちらもIoTの話題ではよく出てくる技術なので、ここでIoTとの違いを簡単に解説します。

まず、M2Mは「Machine to Machine」の略で、機械どうしがセンサーによって相互に接続する技術を指します。

機器を遠隔でつなぐという発想から、しばしばIoTの先駆けとも言われますが、インターネットを用いた技術ではないので、IoTとは別物です。

次にICTは「Information and Communication Technology」の略称で、科学技術を用いて通信する技術・サービス全般のことです。

IT(Internet Technology)とほぼ同じ意味として使われる言葉で、IoTはICTの一種であるといえます。

最後に、「IoE (Internet of Everything)」という言葉がありますが、これはモノどうしの繋がりをより重視するというだけで、IoTとほぼ同じ意味です。

IoTを実現する技術

さて、IoTは、どのような技術によって実現したのでしょうか。

詳しく説明すると専門的な話になるので、ここでは、紹介程度にとどめます。

広域無線通信:LPWA

「LPWA(Low Power, Wide Area)」
とは、少ない消費電力で広い地域をカバーすることができる無線通信の技術です。

LPWAによって構築されたネットワークを「LPWAN(Low Power, Wide Area Network)」と呼びます。

LPWAは、常にインターネットに繋ぎ、いつでも利用できる必要のあるIoTに欠かせない技術です。

特に、自動車のように、移動する対象をインターネットに繋ぐには、ケーブルを引くことが不可能なので、LPWAが不可欠です。

ICチップなどの小型化

例えば、外出中にスマートフォンを用いてエアコンの電源を切るためには、スマートフォンだけではなく、エアコンもインターネットに繋がっていなければなりません。

そのためには、インターネットに接続するための機械をエアコンに搭載する必要があります。

その部品が大きかったりすると、他の機能を圧迫してしまいます。

現在その役割は、ICチップによって行われています。

IoTを実現するためには、インターネットに接続し、情報を処理するための機械を小型化することが必要なのです。

現在も、小型化の技術は進んでいるので、今後よりいっそうIoTは普及するでしょう。

クラウド

交通や工業などの分野では、IoTによってやり取りされる情報は膨大な量になります。

そうした膨大な情報量を取得し、保存しておく技術として、クラウドが重要になります。

IoTとクラウドとの関係は深く、相互に発展してきたといっても過言ではありません。

特に、AIの発達により、これまでとは比べ物にならないくらい複雑な情報を処理できるようになってからは、IoTで取得される情報量が爆発的に増加しました。

スマートファクトリーやスマートシティーなど、これからのIoTの実用には、クラウドが必要不可欠なのです。

IoTでできること

IoTは「モノとモノをインターネットでつなぐ」技術です。

では、そんなIoTを使うと、どのようなことができるのでしょうか。

遠隔操作や状況把握など、IoTはなにをもってもまず「離れていても行動ができる」ということが一番の強みです。

モノの遠隔操作

インターネットを介してモノを遠隔操作することは、IoTの基本的な活用方法です。

外出先から空調や照明などの自宅の機器を操作したり、スマートフォンを用いて機械を操作するなどは、IoTによって行われています。

モノの状態を遠隔で確認

離れたところから機械の稼働状況を確認することにも、IoTが活用されています。

工場の機械が正常に稼働しているか、1人で暮らす高齢者にトラブルが起こっていないかなどを、現場に行かずに確認することができます。

モノの動きを把握

IoTによって、バスやタクシーがいまどこを走行しているかを把握することができます。

バスの運行情報や道路の渋滞情報の提供は、行政によるIoT活用の代表例です。

人流や交通をAIによって把握し、よりよい街づくりを目指す「スマートシティ」が世界中で取り組まれていますが、その実現にはIoTが大きく関わっています。

モノの相互通信

IoTは、モノからの情報を受け取るだけではありません。

モノどうしが相互に通信することも、IoTの重要な活用方法です。

AlexaやSiriなどのスマートスピーカーに話しかけることで、照明を点けたり、テレビの電源をオンにしたりすることは、IoTによって実現されています。

また、人感センサーにも、モノの相互通信という技術が使われています。

IoTの活用事例

IoTは、日常生活に限らず、様々な分野で活用されています。

中でも、「医療」「工業」の分野は、IoTが活用されている代表的な現場です。

ここに挙げた以外にも、AIによる「スマートシティ」の実現なども、IoTがその技術的な土台となっています。

ここでは、日常生活に加え、医療、工業の分野で、どのようにIoTが活用されているのかを解説します。

日常生活でのIoT活用

日常生活での活用例は、「IoTでできること」でもふれましたが、スマートフォンにインストールしたアプリケーションで、自宅の家電を操作することが挙げられます。

エアコン、テレビ、給湯器など、IoTは日常生活にどんどん浸透しているのです。

他にも、スマートウォッチなどのウェアラブルデバイスによる健康状態の把握なども、IoTによって実現されています。

医療分野でのIoT活用

医療分野でのIoT活用事例として、ウェアラブルデバイスによる患者の体調確認があります。

高齢化による在宅医療の増加や医師不足によって、離れたところにいても適切に状況を把握し、患者に対応する技術への需要が高まっています。

IoT機器によって、遠隔で脈拍や血圧などの生体データを確認することで、医師・看護師の負担を減らし、さらに異常をすぐに発見することができます。

ICTデバイスを搭載した医療用ベッドなども既に登場しており、医療の現場でも、IoTによる半自動化が進んでいます。

工業分野でのIoT活用

工業分野、特に製造業は、IoTを積極的に取り入れている分野です。

センサーでモノどうしを接続するM2Mの時代から、製造業はIT技術による事業の効率化を進めています。

製造業でのIoT活用事例としては、工場設備の稼働状況を遠隔で把握することで、定期検査の簡略化、メンテナンスの効率化、さらには故障を予測することが挙げられます。

また、設備だけではなく、製造の進捗や、工場内で働く人員の状況を記録することで、業務を効率化するということも、IoTを取り入れることで取り組まれています。

このように製造業は、IoTを初めとするIT技術によって、次世代の工場である「スマートファクトリー」の実現を目指しています。

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今回は、IoTについてまとめてきました。

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