CGデザイナーにプログラミングは必要!?現代におけるCGデザイナーとは

パソコンの技術的進化により、CGデザイナーの役割や求められるスキルは昔とは全く別物と言えるほどに変わってきています。 高解像度のCGが求められるようになったため、高度なツールを活用することが不可欠になるなど、単に絵が上手かったりデザインのセンスがあるというだけでは成立しなくなってきているのです。 また、3DCGの制作は2DCGのそれとは全く別物で、高い専門性が求められます。 チームでのCGデザイナーのポジションも、プログラマー等と密接な関係となっていたり、協調的に行う作業が増えてきました。 このように、昔から大きくその姿を変えたCGデザイナーの今について解説します。

CGデザイナー=絵描き?

CGデザイナー=絵描き?

CGデザイナー=絵描き?

昔は、CGデザイナーはとにかく上手に絵を描ければ、仕事としてそれなりに成立する面がありました。 しかし、現在のCGデザイナーの仕事内容は、絵を描ければ良いというものでは無くなってきています。 CGデザイナーの中でも原画など、従来の「絵描き」に近い仕事を行う役割の人はいます。 しかし、そのような役割においても、例えば ・高度なツールを使いこなす ・アニメーション関係のツールを使う ・場合によってはスクリプト言語を書く などの必要性があり、扱うべき技術や知識は非常に幅広くなっています。 そして、CGデザイナーとはいっても絵描きからはかなり離れた、エンジニアやプログラマーよりの役割を持つこともあります。 このように、CGデザイナーが指す内容が非常に広くなってきているため、CGデザイナー=絵描きとは全くいえない現状になっており、これからCGデザイナーを目指すには幅広い分野を抑えつつも特化した強みを作っていかなければなりません。

CGデザイナーの仕事内容

CGデザイナーの仕事内容

CGデザイナーの仕事内容

CG制作は専門化・高度化が進んでいるので、今の仕事の場においては全工程を一人で行うということはほぼなく、分業化が進んでいます。 しかしある工程のみを担当すればよいというものでもなく、CGデザインにおける複数の工程についての知識が必要ですし、複数の工程をまたいだ仕事をすることも多いです。 分業化が特に進んでいるのは3DCGの分野で、3Dモデルを作るモデリングでは完全に造形のみを担当し、テクスチャの貼り付けや光の当て方などの設定を基本的には行いません。 モデリングが終わったら、テクスチャの貼り付けやマテリアル・光源の設定、そして重要なボーンの設定など、動かせる3Dオブジェクトとして1歩ずつ完成させていくことになります。 CGデザイナーはこれらの工程の1つ、あるいはいくつかを担当することになります。 ですが、全ての工程はつながっていますので、3Dデザイン制作の全体的な知識を持った上で、一連の流れを意識しながら、個別の工程を行うことになります。 最近では2DCGでもLive2Dなどで動かすことを前提とすることが多く、3DCGのようにパーツ分け・ボーン入れ・ウェイトの設定などが行われることが多いです。 そうすると、2DCG制作でも3DCGと似たような区分けの分業が行われ、これまでの絵描きとは全く異なる、アニメーターや3D寄りの仕事内容になることがあります。

CGデザイナーに求められる能力

CGデザイナーに求められる能力

CGデザイナーに求められる能力

次に、CGデザイナーに求められる能力について見ていきます。

絵描きとしての能力

現代のCGデザイナーは絵描きではない、とは言いましたが、しかしながら絵描きとしての能力も重要視されることは間違いありません。 特にCGを動かすという観点において、デッサンに狂いがないか、キャラクターの描き方が解剖学的に正しいかなどの点は非常に重要になってきます。 一枚絵としてパッと見でいい絵に見えても、ボーンを入れて動かすとなると僅かな歪みが大きく影響してくることが多いのです。 したがって、絵描きとしての特に基礎的な能力を身につけることは、CGデザイナーの仕事がいくら変わっても引き続き重要だといえます。

人体構造・解剖学的な知識

上でも触れましたが、破綻なくキャラクターを動かすには人体構造や解剖学的な知識が重要です。 一枚絵を描く上でも、様々な姿勢やポーズを描くにはこれらの知識が重要であると言われていました。 デッサン人形と一緒に人体模型も置いてあるという絵描きの方も多いと思います。 そして、最先端のCG制作では「動かす」ことが重視されるようになった結果、これらの知識がより一層重要になりました。 解剖学的に破綻した絵はパーツ分けの時点ですでにうまくいかなくなってしまいますし、モーションをつける段階でも不自然になってしまいます。 これらの破綻はあとから直すことができませんので、デザインやモデリングの段階でしっかりと基礎を固めておく必要があります。 そのために、正しい構造を作るための知識・技術や、正しい構造であることを見分ける眼力が求められるのです。

絵を動かすにあたっての知識

今は2Dであれ3Dであれ描かれた絵を動かすことが多いので、パーツ分けやボーン設定などの工程が発生します。 実際にデザイナーとして仕事を受けても、場合によってはボーン設定やモーション設定のようなアニメーター寄りの仕事を回されることが普通にあります。 ですから、デザイナーといえども一部アニメーターのような知識や技術が必要になるのです。 たとえ原画を描く仕事であっても、それらの工程を前提とした仕事が求められるでしょう。

コミュニケーション能力

作業が高度化して分業化が進むということは、担当間でのコミュニケーションが必要になるということでもあります。 全工程を一人でこなしていた時代の絵描きは、一人で黙々と自分の世界の中で仕事を進めるというイメージがあったかもしれません。 しかし、現在ではコミュニケーション能力が非常に重要です。 うまくコミュニケーションを取れないと、何度も作業の手戻りが発生し、スムーズに仕事を進めることができません。

3DCGの場合は数学知識が求められる場合も

3Dモデリングではポリゴンを扱う時に、ベクトルの最低限の知識がないと理解が難しいことがあります。 決してある程度モデリングが行えるようになった上で、発展的な要素としてベクトルの知識が必要となるというわけではなく、モデリングの基礎的な知識として法線ベクトルなどがいきなり登場するので、高校数学レベルの知識が全く無いと最初から理解できないということになりかねません。 また、2D3D問わず、三角関数の知識なども求められることがあります。 数学とは切っても切れない分野ですので、毛嫌いせずに学んでいく必要があるでしょう。

CG作成とプログラミング

CG作成とプログラミング

 CG作成とプログラミング

全てのCGデザイナーの仕事に求められるわけではありませんが、CG作成において直接的・間接的にプログラミングが関わってくることがあります。 3DCGではモデリング作業の過程の中で、全く同じ形状のポリゴンを繋いでいったり、左右対称に同じポリゴンを貼っていくなど、定型的な繰り返し作業が多く発生します。 このような作業の効率化のために大抵のモデリングツールにはプラグイン機能が搭載されており、デザイナーはプラグインのカスタマイズや、場合によってはプラグインを自作するためにプログラミングを行うことが求められます。 2DCGでも、オープンソースソフトウェアであるGIMPがプラグインに今一番人気の言語であるPythonを採用しているなど、プログラミングが関わってくるシーンは増えてきています。 また前述の通り、チームでの開発ではデザイナーとプログラマーの強調は必要不可欠ですので、そのような意味でコミュニケーションのために、最低限のプログラミングに関する知識が求められるということも、もちろんあります。 CGデザイナーが自身のスキルアップのためにプログラミングを徹底的に勉強する、ということまでは必要とされませんが、技術的・役割的に縁遠いものではありませんので、プログラミングも必要に応じて学んでいくと、今後のCGデザインの専門化にしっかりついていく基礎力の養成に役立ちます。 もっとも、仕事の幅を広げるためにCGデザイナーがプログラミングを勉強し、プログラマーを兼ねるという選択も、CGデザイナーとしての知識の深まりにもつながるため有効です。

CGデザイナーの今後

このようにCGデザイナーは仕事の幅が非常に広くなり、それにともなって求められることも多くなり、昔よりも大変な仕事になったということは間違いありません。 しかし一方で、新たな需要もどんどん生まれてきており、CGデザイナーとしての身の立て方も幅が広がってきています。 例えば、YouTubeで人気のVtuberですが、Vtuberのキャラクターの顔はモーションキャプチャーによって表情がリアルタイムに変化するようになっています。 これは顔のパーツを適切に切り分け、目・口・眉毛などが動くよう設定されたスキンによって実現されていますが、このような設定がなされたスキンの需要が非常に高くなっており、Vtuber用スキンの発注件数が急増しています。 そして、このような動きに素早く追従した個人のデザイナーがLive2Dを学んで大きな利益を得るという例も数多く見られます。 他にもアニメーションや動画関連で新しい需要は日々生まれており、CGデザイナーの仕事が難しくなってきている一方で、ビジネスチャンスと言える状況でもあります。 専門的な知識を学べば独立して仕事を得やすくもなっていますし、デザイナーとしての腕の見せ所である、やりがいがある状況ともいえるでしょう。 今後もこの傾向は続くと考えられ、新たな知識に追いついていくことが求められ続けると思いますが、努力した分だけCGデザイナーの今後は明るいものと考えます。

必要なエンジニアはAMELAに相談を

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今回は、時代とともに変化していく現在の「CGデザイナー」について見てきました。 技術の発達によって、「単に絵が上手いだけ」の人よりも、それ以外のスキルが市場価値に影響してくるというのは、非常に面白いのではないでしょうか。 同様に、様々な職種や業種でも 「1つのことしか出来ない人材」 というのは、市場価値が下がってくると考えられます。 AMELAでは、様々なエンジニアを抱えており、御社に合った適切な人材をご紹介することが可能です。 また、オフショア開発を得意とするなど、比較的安価にシステム開発が出来るなど、様々な提案が可能です。 もしも現在御社で考えられている事があれば、是非一度ご相談下さい。