Javaはなぜ今も人気なのか?Javaの難しさ、初心者がつまずくポイントもあわせて解説

現在、多くのプログラミング言語が作られ、そして使われなくなります。 時代に合わせて人気は移り変わり、 1.人気が出る 2.多くの人が使うからこそ改良される 3.それに合わせてツールやライブラリ・デバッグツールなども多様化する 4.更に使い勝手が良くなり、利用者が増える という循環が起こります。 そのため、今使っている言語が使えなくなる・・・というのはエンジニアにとっては常に課題となります。 そんな中、プログラミング言語の中でも特に有名な 「Java」 は、いまも世界中で使われています。 これからプログラミングの勉強を始めようとするとき、C#やPythonと合わせて、まず候補に挙がる言語でもあります。 しかし、Javaは 「習得が難しいプログラミング言語」 だとされます。 この記事では、 ・なぜJavaが人気なのか ・なぜJavaが難しいのか について解説します。 加えて、プログラミング初心者がJavaを勉強するときにつまずきやすいポイントも紹介していきます。

Javaとは

Javaとは

Javaとは[/caption] そもそも、Javaとはどういったプログラミング言語なのかを簡単に解説します。

Javaの歴史

Javaは、1996年にサン・マイクロシステムズが開発・公開したプログラミング言語です。 同社は2010年にOracle社と合併し、現在はOracle社がその版権を持っています。 Javaの構文は同じプログラミング言語であるC++をモデルに設計されています。 Javaは、C++とPythonとあわせて、開発の現場において特によく使われる言語として挙げられます。 2019年のGitHubによる調査では、Javaはクライアント/サーバモデルのWebアプリケーション開発の現場で最も採用されているプログラミング言語となりました。 Javaはリリースから25年以上経ちますが、現在もOracle社によってアップデートが続いています。

Javaはオブジェクト指向のプログラミング言語

Javaは「オブジェクト指向」という考え方を採用したプログラミング言語です。 オブジェクト指向を簡単に解説すると、プログラムを「役割を持ったモノ」として、モノそれぞれの関係性を決めていくというコーディングの考え方です。 オブジェクト指向言語は他にC++やPython、Rubyなどがあります。 Javaの登場以降、オブジェクト指向を採用した言語が増加し、Javaはオブジェクト指向のプログラミングが主流となるきっかけを作りました。 ちなみに、Javaは後進の言語ほど強くオブジェクト指向を要求しておらず、C言語のような「手続き型言語」としてコードを書くこともできます。 ですが、Javaが真価を発揮するのはやはりオブジェクト指向によってプログラミングをするときです。

Javaが人気な理由

Javaが人気な理由

Javaが人気な理由[/caption] さて、多種多様なプログラミング言語の中で、なぜJavaがここまで人気になったのでしょうか。 その理由は沢山ありますが、Javaの特性として評価されている点をいくつか解説します。

プラットフォームを問わない汎用性

Javaはプラットフォームに依存しないプログラミング言語です。 サン・マイクロシステムズによるJavaの開発理念は 「Write once, run anywhere.」 です。 これは、 「一度コードを書いてしまえば、どんな環境であっても実行できる」 ということで、この汎用性がJavaの最大の特徴とも言えます。 JavaがJVM(Java Virtual Machine)という仮想マシンで動作するからこそ実現が出来たのです。 このJVMには、プログラムと実行環境との差異を補完する機能があります。 公式ページからソフトウェアをインストールしておけば、Mac、Windows、Linux問わず、どんな環境でもJavaで書かれたアプリケーションを実行することができます。

処理速度・セキュリティに優れている

Javaは「コンパイラ言語」といって、システムの起動時にコンパイルを行うプログラミング言語です。 コンパイルというのは、プログラムを実行可能な状態に変換することで、コンパイラ言語には他に、C言語やC#、JavaScriptなどがあります。 コンパイラ言語で書かれたシステムは、実行前にコンパイルを済ませるため、処理速度が速いという特徴があります。 ちなみに、実行しながら都度変換するプログラミング言語を「インタープリタ言語」と呼び、PythonやPerlなどがそれにあたります。 また、Javaはプログラムの安全性とセキュリティを考えて開発されていますので、セキュリティが特に重要となる業界でよく採用されています。

既に多くの場面で使われている

Javaは登場以降、世界中で広く利用されているプログラミング言語ですので、Javaで書かれたシステムは膨大な数となり、現在も増えています。 基幹がJavaで書かれているシステムに機能を追加するとき、多くの場合は同じくJavaが採用されます。 他の言語で機能追加してしまうと、エラーの原因にもなりかねないため、敢えて他言語を利用するメリットは無いと言えるでしょう。 またJavaで書かれたシステムの保守・点検は、Javaに習熟したエンジニアが行います。 そのため、Javaを習得するエンジニア側としても ・習得できれば多くの仕事がある ・転職が容易 ・需要が高い=給料が高い という様々なメリットが有ります。 このように、広く浸透した言語であるゆえに、Javaの需要は減るどころか増加しているのです。

Javaが採用されている現場

Javaが採用されている現場

Javaが採用されている現場[/caption] Javaは幅広い分野で使われています。 その中でも、特にJavaの特性が活用され、採用されている分野を解説します。

アプリケーション開発

どのような環境でも動作し、実行速度も速いJavaは、アプリケーション開発によく用いられるプログラミング言語です。 Javaは特にWebアプリケーション開発に強く、例えばGoogle検索にはC++やPython、JavaScript等と合わせて、Javaが使われています。 さらに、Twitterでは当初Rubyが採用されていましたが、動作の高速化のためにJavaとScalaへ移行しました。 それ以外にも、楽天が業務システムの開発にJavaを採用しています。 スマートフォンアプリの開発現場では、iOSアプリはAppleが開発するSwiftが使用されていますが、Androidアプリの多くはJavaで開発されています。

IoT機器の開発

Javaの汎用性と安定性は、様々な使用状況が想定されるIoT機器の開発に最適です。 実はJavaの開発は、もともと家電製品のマイクロコントローラのために始まりました。 ですから、機器とJavaはとても相性がいいのです。 そしてOracle社は、IoT機器の開発にJavaを採用することを推奨しています。

金融機関

これまではCOBOLが主流であった金融機関のシステムも、徐々にJavaへ移行しています。 これは、Javaの安定性とセキュリティの高さが評価された例です。 「レガシー言語」と呼ばれるCOBOLから、現在の主流であるJavaへの移行は非常に大変な作業となっていますが、三菱東京UFJ銀行やみずほ銀行が、率先してチャレンジしています。

なぜJavaは難しいのか・初心者がつまずきやすいポイント

なぜJavaは難しいのか・初心者がつまずきやすいポイント

なぜJavaは難しいのか・初心者がつまずきやすいポイント[/caption] Javaは習得が難しいプログラミング言語だと言われています。 PythonやRubyのような、パッケージが充実していて、コードを簡潔に書くことができる言語と比べると、Javaは確かに難しい言語です。 ある程度のプログラミングスキルがあれば、多少の困難はあれど、Javaにも適応することができるでしょう。 しかし、プログラミング初心者にとってはそう簡単な話ではありません。 ここでは、とくに初心者にとってJavaが難しく感じる、つまずいてしまうポイントを解説します。

オブジェクト指向

まずはなんといっても「オブジェクト指向」です。 ある程度のプログラミング経験があっても、オブジェクト指向をしっかりと理解している方はあまり多くはいないでしょう。 プログラミング初心者の場合ですと、実際にプログラムを書く前に、このオブジェクト指向の勉強で挫折してしまうことが多いです。 ですが、オブジェクト指向の勉強は避けては通れません。 なぜかというと、Javaはオブジェクト指向を理解していなければ、まともにプログラムを書くことすらできないのです。 オブジェクト指向を理解するには、かなりの時間がかかります。 一歩一歩、根気強く勉強しなければ、Javaを習得するのは難しいのです。

覚えることが多い

Javaは他のプログラミング言語に比べて、覚えるべき文法やコーディングのルールがかなり多い言語です。 同じ動作をするプログラムでも、PythonやRubyと比べて、Javaのコードはルールが多い分、書くことも多くなります。 これには、Javaのパッケージの少なさも関係しています。 書くことが多いと、その分タイプミスなどによるエラーが増えます。 プログラミング初心者ですと、教科書に掲載された呪文のようなコードをただ写すだけになるでしょう。 さらに、Javaの文法やルールを理解したうえで実際にコーディングするには、先ほど挙げたオブジェクト指向の理解が不可欠です。 しかも、オブジェクト指向を理解しても、覚えることが多いのには変わりありません。 Javaは、学習コストがかなり高い言語であると言えます。

型の使い方が厳格

Javaを初心者が学習しようと考えた時に難しいと感じるポイントの1つが「型」です。 PHPなどの言語では、例えば型を宣言せずに変数を定義し、そこに ・数字 ・文字 ・配列 ・オブジェクト などを入れてもエラーにはなりません。 その後変数の中身を処理する時にエラーが生じて、型の違いに気付く・・・というケースも多いのではないでしょうか。 しかし、Javaはこれらの型が厳格で、間違った型を入れることが出来ないようになっています。 これも多くの初心者がJavaを学ぶ上で混乱する一つの要素と言えるでしょう。

継承

オブジェクト指向に繋がってくる部分になりますが、Javaでは多くのシステムで「継承」が使われます。 簡単に説明すると、 「複数の場所で共通して使われる機能をまとめ、その機能を全て使える別のオブジェクトを作る」 ということになります。 Aという共通の機能があり、それを元に、BやCを作るイメージです。 そして、このBとCでは必要な機能が別にあるので、それぞれに独自の機能を追加する形になります。 この継承という考え方が、大規模なプログラムを作る上では、非常に便利なのですが、一方で 「どこに処理が書いてあるのかわからない」 という初心者にとっての大きなハードルになっています。

実用にはプログラミング以外の知識も必要

ようやくJavaを用いたプログラミングができるようになっても、それだけで実践へ移るのは難しいです。 Webアプリケーションの開発に携わるのであれば、ネットワークの知識が必要ですし、IoTの開発であればハードウェアの知識が必要になります。 これはJavaに限らず、プログラミングスキルとIT全般の知識が両方なければ、実際に現場で活躍することはできません。 これからプログラミングの勉強を始めようとしている方は、このことを念頭において、目的にあった分野を並行して勉強しましょう。 しかし、Java自体の学習コストが高いため、キャパオーバーになってしまうことが多いのです。 学習コストが他の言語と比べて多くかかるというのは、こういったところにも影響を及ぼしてしまいます。

Javaエンジニアをお探しならAMELAに

Javaエンジニアをお探しならAMELAに

Javaエンジニアをお探しならAMELAに[/caption] 今回は、長期間世界で使われ続けるプログラミング言語のJavaについて触れてきました。 日本におけるエンジニアの不足数は増えてきており、多くの人が他業種からIT業界への転職を試みています。 一方で、そんな未経験から挑戦するエンジニアにとって、Javaを理解するのは非常に難しく、業務で使えるレベルになるのに非常に多くの時間を要します。 そのため、多くの企業様で 「Java人材が欲しいけど集まらない」 と感じているのではないでしょうか。 そんな時には是非AMELAにご相談下さい。 豊富で優秀なITエンジニアを抱えていますので、御社のお役に立てる提案ができると考えています。