2022年JavaScript最有力フレームワーク!?Reactとは?特徴まとめ

JavaScriptには多くのフレームワークが存在しますが、人気のフレームワークとしてReactというものがあります。 このReactは、JavaScriptのフレームワークで検索すれば、3本の指に入るくらいに人気のフレームワークで、すでにかなりの認知度があります。 初心者がプログラムを勉強する上でも学びやすいため、非常に人気です。 今回は、このReactというフレームワークについて触れていきましょう。

Reactとは

Reactとは

Reactとは[/caption] Reactとは、 「ユーザーインターフェース構築のためのライブラリ」 を謳う、Javascriptフレームワークです。 Meta(旧Facebook)によって開発され、元々はFacebook内部のインターフェースを作る用のライブラリとして使われていましたが、後にオープンソース化され様々な改良が加えられました。 そのような生まれからインターフェース構築に特化・堅牢性を重視など、それまでのフレームワークとは一風変わった特徴を持ち、プログラマーからは大きな関心を集めました。 また、インターフェース構築に向くということは、様々な「ガワ」の構築用としての利用に向くということです。 実際にWebだけでなく様々な分野においてReactは使われており、その汎用性の高さからさらなる躍進も期待できる、今後が楽しみなフレームワークです。

Reactの特徴

Reactの特徴

Reactの特徴[/caption] では、そんなReactの特徴にはどのようなものがあるのでしょうか。

JSXで記述するコンポーネント

Reactの特徴として最もよく語られるのが、Javascriptに似たJSXで記述するコンポーネントベースである点です。 Reactの基本的な流れは、JSXの関数の中で直接html文字列などをreturnすることで、Viewを構築していきます。 このhtml文字列とコードが入り交じる様は好き嫌いが分かれ、ひいてはReact自体の評価を二分する点にもつながっています。 しかし、メソッドからhtml文字列を直接返すという形式は誰が見ても簡単に理解できることは確かです。 カプセル化されたコンポーネントは管理も編集も容易であり、チーム開発での効率向上にも大きく寄与することでしょう。

単方向データバインディングとFlux

Reactはデータバインディングの方向を単方向に制限し、そのためのソフトウェアアーキテクチャとしてFluxを採用することで安全・堅牢なシステムの構築を可能にします。 AngularやVueを始めとした多くのフレームワークは双方向データバインディング・MVCモデル(またはその派生形)を採用しているため、もしかしたらここが一番引っかかる点かもしれません。 双方向データバインディングはhtml側からもJavascript側からも自由にデータを変更できて便利に思えるかもしれません。 しかし、特にプログラミングの実務経験が浅いエンジニアにとっては 「データがどのように変更されたのか追う」 ということが難しくなります。 これは、デバッグが困難になる要因の一つでもあります。 データの流れる方向が制限されると、コードの変更時やデバッグ時にチェックする対象が自ずと絞られるため、状況の把握が非常に楽になります。 このような設計はReactが 「ユーザーインターフェース構築のためのライブラリ」 を意識して作られたことによりますが、一般的なWebアプリ作成の際にも、大きなメリットと言えるでしょう。

安全性重視の設計思想

ReactはJSXやFluxの採用など、他と違う点が多くてクセが強いフレームワークというイメージが先に立ちますが、その実、かなり堅実な仕様となっています。 例えば、データフローを単方向に制限するなど、プログラマーに与えられる裁量の幅は他のフレームワークと比べて狭く、Reactの作法に沿った一貫したコーディングを求められます。 このルールを守りさえすれば、誰が書いても一定のコード品質が保たれ、全体として秩序あるコードが完成するというわけです。 多くの人が関わるプロジェクトでは 「人によって書き方が異なる」 というのは、後々のメンテナンス性に大きく影響を与えます。 また、プログラマーが作って、それをソースレビューするようなチームでの開発でも、ルールがしっかりとしているソースは、管理工数が少なくなります。 特にJavascriptはかなりチェックの緩い動的型付けを始めとして、何でもできてしまうような無法地帯のようなものであり、そこにフレームワークで厳しい制限を課すことはチーム開発において非常に大きなメリットが得られます。 一方で融通の効かないフレームワークであると評価されることもあります。 また、他のフレームワークのやり方をそのままReactに持ち込んでもうまくいかないなど、Reactのやり方を理解して実践するための努力は求められます。 このような、硬めの手触りとも言うべきフレームワークのデザインから、「Javaに似ている」と称されることもあります。

汎用性の高さ

Reactの活躍場所はWebに留まりません。 Reactはユーザーインターフェースを作るのが得意ですので、この特性を利用してネイティブアプリのガワ部分にReactを利用したり、Reactでクロスプラットフォームを書くことができたりします。 さらには、最近ではVRの開発までReactでできるようですから、その守備範囲の広さには驚くばかりです。 Reactのコーディングスキルやコード資産はメタバースの舞台でも活きていくことが期待でき、スキルの投資先としても将来性があります。

Reactに向くプロジェクト

Reactに向くプロジェクト

Reactに向くプロジェクト[/caption] 続いて、Reactが向いているプロジェクトについて触れていきます。

リッチなUI/UXを提供するWebアプリ制作

Reactはユーザーインターフェース用を謳うだけあって、用意されたボイラープレートに少し手を加えるだけであっという間にリッチなUIを持つページが出来上がります。 単方向データバインディングなどの特性も、Webアプリ開発で頭を悩ませるユーザーの入力からの状態管理をシンプル化し、コーディングやデバッグの負荷を大幅に軽減してくれます。 見た目のインパクト勝負のSPAを早いサイクルで作っていくプロジェクトなどでは、少ないコード量でUI/UXに優れるSPAを作れるReactが最も適しているでしょう。 中規模以上のWebアプリでも、UIの部分の設計・構築が非常に楽な分、ビジネスロジックの開発に専念することができるというメリットがあります。

大人数によるチーム開発

特徴で述べたとおり、Reactの設計思想は自由よりも秩序で、Reactを使う人全てにルールを守ったコーディングを求めます。 大人数のチーム開発ではスキルの差や美的感覚・宗教観の違いなどにより、プログラマーによるコードのばらつきが大きな問題となりますが、Reactのルールを守る限りはこのばらつきが最小限に抑えられます。 この自由度のなさを嫌うプログラマーが少なからずいることは確かですが、大人数によるチーム開発において秩序が保たれやすく、大きなメリットであることは疑う余地がありません。

クロスプラットフォーム開発

現在のクロスプラットフォーム開発ではJavascriptフレームワークを利用するのが主流であり、その中でも一番人気はReact Nativeです。 優れたユーザーインターフェースを提供するReactのViewがOSごとの見た目の差異をしっかり吸収してくれるため、クロスプラットフォーム開発で頭を悩ませがちなUIを簡単に解決できる点は唯一無二のアドバンテージです。 情報量も多く、今クロスプラットフォームアプリを作るならばReactが断然おすすめです。

Reactを使う際の注意点

Reactを使う際の注意点

Reactを使う際の注意点[/caption] 続いて、注意点について見ていきます。

他のフレームワークと使い勝手が異なる

特徴の欄でも述べましたが、コンポーネントを記述するためのJSXやFluxの採用、単方向データバインディングやコーディングスタイルの自由度の低さなどは、エンジニアの中でもかなり好き嫌いが分かれる点です。 プログラミング言語やフレームワークはとかく宗教戦争が起きがちなネタですが、Reactはある軸においてもっとも突き抜けた位置にいるフレームワークといえます。 その他にもReactは独特な点が多いため、好き嫌いをさておいても、他のフレームワークと行き来すると混乱したりドキュメントを参照する頻度が増えるかもしれません。

Reactの作法について周知が必要

Reactの良くも悪くもお硬いところは、Reactの作法を守ってこそ発生する特徴です。 このお作法を守らずにコーディングするプログラマーが混じっていると、せっかくのメリットである堅牢性やコードの見通しの良さなどが台無しになってしまいます。 どんな言語・フレームワークにおいてもそのベストプラクティスを守ることは重要ですが、ことReactについてはその重要性が極めて大きいといえます。 チームのReact開発経験に乏しい場合は、あらかじめ作法やベストプラクティスなどについて勉強し理解を深めておきましょう。 Reactの作法が周知・徹底されれば、各プロジェクトにおいていちいち細かいルールを定めずに済むので、事前の勉強会などに係るコストはすぐにペイできるでしょう。

他の有名フレームワークとの比較

他の有名フレームワークとの比較

他の有名フレームワークとの比較[/caption] 他にもJavaScriptは人気のフレームワークがありますが、それらとはどのような違いがあるのでしょうか。

Angular

AngularとReactはフレームワークのデザイン的に似ているわけではありませんが、AngularはフルスタックフレームワークでReactも厚めのフレームワークであるため、比較的同じような使い方をされています。 ざっくりといえば、Reactよりもクセはなく厚くて重い全部盛りのフレームワークという感じでしょう。 アプローチの仕方は違うものの、大きなプロジェクトではReact同様に安定感のある開発が可能です。

Vue.js

ミニマルで、軽く、自由なVueは、Reactと対極的な存在といえるでしょう。 小規模・少人数プロジェクトにおけるVue.jsは非常に便利ですが、大規模開発では運用が難しくなります。 用途的にも両極ですので、両方のフレームワークが扱えてプロジェクトによって選べればそれに越したことはありませんが、なかなかそうはいかない事情もあることと思います。 チーム開発でどちらかを選ぶなら、小規模開発中心や少数精鋭ならVue.js、それ以外ならReactという選び方になるでしょう。

JavaScriptの開発ならAMELAに

JavaScriptの開発ならAMELAに

JavaScriptの開発ならAMELAに[/caption] 今回は、Facebook社が開発したフレームワーク、Reactについて見てきました。 フレームワークを活用することで、スクラッチ開発と比較すると ・開発速度が早い ・致命的なエラーが少ない ・ルールが統一される といったメリットがあります。 そのため、今回の記事を参考に、Reactでの開発を検討する材料になれば幸いです。 AMELAでは、人気のJavaScriptフレームワークを扱える人材が非常に多いです。 特に最近は、本文中でも少し触れたクロスプラットフォーム開発により、iPhoneやAndroidといった複数のOSに対応したアプリ開発を希望する企業も多いです。 今や非IT企業でも、マーケティング戦略としてシステムを導入することも多いため、是非一度ご相談頂ければと存じます。