【Angular.js】JavaScriptのフレームワークといえば!?Google製フルスタックフレームワークを解説

現在Javascriptにはさまざまなフレームワークが乱立し、また流行り廃りのサイクルが早いこともあり、選ぶにあたって必要な情報を追うだけでも大変な状況です。 また、Javascriptフレームワークは基本的にコミュニティベースで開発・メンテナンスが行われていますので、機能面やパフォーマンスのみならずメンテナンスの継続性も考慮して選ばなければなりません。 もしも間違ったフレームワークを選択してしまうと ・社内にエンジニアがいない ・メンテナンスに時間とコストがかかる ・重大なバグが見つかった際に迅速に対処できない など、様々な問題が起こるでしょう。 このように、フレームワーク選定はそれ自体が大変にコストがかかり、かつその後の開発効率にも多大な影響を及ぼす、責任の重い作業といえます。 そこで、どんなプロジェクトにも失敗のない選択肢として、Googleが開発とメンテナンスを行い高い実績を誇る、全部入りのフレームワーク・Angular.jsを紹介したいと思います。

Angular.js(アンギュラージェイエス)とは

Angular.js(アンギュラージェイエス)とは

Angular.js(アンギュラージェイエス)とは[/caption] Angular.jsとは、現在でも広く使われているモダンなJavascriptフレームワークの中で、最も有名なものの一つです。 Javascriptフレームワークの草分け的存在といえばjQueryですが、パフォーマンス上の問題や新技術への対応に限界が見え始めた頃、新時代のモダンフレームワークとして真っ先に手を上げたのがこのAngular.jsです。 Angular.jsの初版リリースは2009年にまでさかのぼり、それから今に至るまで継続的なアップデートがなされています。 今でこそモダンフレームワークの基礎的な機能である 「双方向データバインディング」 をいち早く実装したのは他でもないAngular.jsで、現在のモダンフレームワークの礎を築いたといえます。 なお、Angular.jsは元々「AngularJS」という名称でしたが、バージョン1系から2系へのアップデートにおいて1から設計をやり直しており、その際に2系を「Angular」と名称を変更し別プロダクトに分けています。 AngularJSのサポートは2021年12月をもって終了したため、そのことを最近目にした方もいるかもしれませんが、現行バージョンは勢力的にメンテナンス・アップデートが続いていますのでご安心ください。 現行の「Angular」はバージョンアップを重ね、2021年12月にはバージョン13となっています。

Angular.jsの特徴

Angular.jsの特徴

Angular.jsの特徴[/caption]   では、次にAngular.jsの特徴について見ていきましょう。

フルスタックフレームワークである

最近のJavascriptフレームワークには、単機能に特化した軽量なものに注目が集まっています。 エンジニアの美学として、単機能のフレームワーク・モジュール・サードパーティツールを必要最小限で組み合わせ、ミニマルな環境を目指したいという考えを持つ方は少なくないでしょう。 しかし、こと仕事においては、多くのソフトウェアを組み合わせれば ・テスト工程が難しくなる ・互換性問題の増大 など開発コストが増すばかりですし、何より組み合わせたソフトウェアをすべて扱える人材が必要になります。 一方、フルスタックフレームワークとは、WEBアプリケーションにおいて ・ユーザーインターフェース ・データベース ・セキュリティ など、様々な機能が用意されているものを言います。 Angular.jsは、このフルスタックフレームワークに該当しており、その中でも多機能・高機能なフレームワークとして知られています。 個人開発などでは敬遠される向きもありますが、仕事の場では様々なプロジェクトを任せられる安心感があるといえます。

Google他多くの企業が開発に参加している

Angular.jsは元々Googleが開発したプロダクトであり、現在でもGoogleやその他多くの企業が開発やメンテナンスを行っています。 すでに長い歴史と利用実績があり、ES6やTypescriptなどJavascriptの進化をキャッチアップしてきた実績もありますので、今後も豊富な開発力をもって継続的なメンテナンスがなされることが期待できます。 また、同じように大企業がバックについたフレームワークは他にもReactなどがありますが、それぞれ特色が異なり棲み分けがなされていますので、企業同士の対抗によってどれかのフレームワークに統合されるといった流れはありませんし、その心配もないでしょう。

モダンである

上記の通り、Angular.jsはJavascriptの進化に合わせてアップデートを繰り返し、Web技術の最先端をJavascriptと並走してきました。 最も歴史の長いフレームワークの一つではありますが、開発方針はどちらかというとアグレッシブに新技術をキャッチアップしていく方針なので、モダンな開発環境で開発効率を高めたり、いち早く新技術を活用できるというメリットがあります。 フルスタック故に、色々なツールを組み合わせずともAngular.jsのみで最新技術の恩恵に預かれるのも、仕事の場においては嬉しいポイントです。

Angular.jsに向いているプロジェクト

Angular.jsに向いているプロジェクト

Angular.jsに向いているプロジェクト[/caption] 続いて、Angular.jsを活用する上で向いているプロジェクトとはどのようなものかを説明しましょう。

安定性を重視するプロジェクト

高い実績を誇り、開発コミュニティが大きいAngular.jsは、長期に渡りメンテナンスが必要なプロジェクトにぴったりです。 メンテナンスが活発なことはもちろん、有名プロダクトなだけあって注目度が高いので、バグ情報はすぐに周知され速やかにバグフィックスされます。 小規模プロダクトだと重大なバグがなかなか周知されず、ゼロデイ攻撃に利用されることもありますが、Angular.jsに関してはそのようなリスクは低いでしょう。 また利用者が多いためWebにも情報の集積が多く、トラブルに関する情報などは検索すればすぐに見つけられます。 Angular.js自体の信頼性が高いことと、利用者側がトラブルなく開発を行えるという2点において、安定性を再重視するプロジェクトには第一の選択肢となるでしょう。

追加ソフトウェア選定などの手間を省きたい

フルスタックフレームワークなので、大抵のプロジェクトではAngular.js一つあればそれだけで必要な機能を賄えます。 他のソフトウェアを導入するとなるとその選定も手間ですし、プロジェクトごとに構成が変わるとそのたびに開発効率も落ちてしまいます。 短期的にも長期的にも、これ一つで何でもできるAngular.jsを選ぶメリットは大きいといえます。 特に、最初は少ない機能で素早くリリースし、その後徐々に機能追加をしていくようなケースでは、 「〇〇の機能はこのフレームワークで・・・」 といった様に追加されてしまう事は、後のメンテナンス性を悪くする原因となります。

メンテナンスの継続性を重視

特徴でも述べましたが、なにせあのGoogleが開発に関わっていますし、すでに多くの企業がAngular.jsを採用し続けているという現状もあります。 急にメンテナンスが打ち切られて、バグフィックスされずに困るといった事態になることはまずないでしょう。

Androidに重きを置いたプロジェクト

Googleが開発を行っている点を考えると、 「Androidを利用しているユーザー向けのプロジェクト」 では、より安定した運用が可能であると考えられます。 特にWEB開発において、様々な機種やブラウザでの検証は重要です。 その中で、AndroidユーザーはGoogleChromeが標準搭載されているため、使用している確率が高いです。 iPhoneでは、safariの方が利用者が多いでしょうが、世界的にはAndroidのシェアの方が高い傾向があります。 そのため、世界のユーザーに対して提供するようなサービスなどは、より安心してリリースができるのではないでしょうか。

Angular.jsを利用する際の注意点

Angular.jsを利用する際の注意点

Angular.jsを利用する際の注意点[/caption] 次に、Angelar.jsの注意点について触れていきましょう。

学習コストは高め

フルスタックのメリットの裏返しではあるのですが、Angular.jsを1から習得するための学習コストは比較的高めと言われます。 フルスタックである以上、すべての機能の大枠について一通り学ぶ必要があります。 また、Angular.jsはMVCモデルを採用しているため、その概念やバグが発生した際にどこを調べるのか・・・といった調査に関しても、初心者のハードルは高いと考えられます。 とは言うものの、フルスタックフレームワークの中で特に学習量が多いというわけではありません。 現代のJavascript開発ではMVCモデルやクリーンアーキテクチャなど何かしらのソフトウェアアーキテクチャを用いることが普通ですから、何を選択しても最終的な学習量にはそれほど差が出るわけではありません。

パフォーマンスに注意が必要

重厚なフレームワークなので、動作が重くなったりロード時間が長くなるといった、パフォーマンス上の問題が語られることが多くありました。 現在においても確かに軽量フレームワークと比べると重いことは確かですが、昨今の特にモバイル端末の性能向上は著しく、スマホでもパフォーマンス問題が取り沙汰されることは少なくなりました。 また、Angular.jsのパフォーマンス向上のためのTips等はネット上に情報が多く、最適化しやすいため、エンジニアの習熟度によっては軽快に動くアプリケーションも構築可能です。 しかしいずれにせよ、ある程度パフォーマンスに気をつけながら設計を行う必要はあるといえます。 また、ペライチのSPAを作るだけのようなごく簡単なプロジェクトの場合は、そもそも軽量フレームワークの採用も検討してみるといいでしょう。

他の有名フレームワークとAngular.jsの比較

他の有名フレームワークとの比較

他の有名フレームワークとの比較[/caption] JavaScriptには、他にもいくつか人気のフレームワークが存在しますが、これらとはどのよな棲み分けがされているのでしょうか。

React

Meta(旧Facebook)が中心となって開発している、Angular.jsと同じフルスタックフレームワークの定番です。 最近ではモバイルアプリやクロスプラットフォームアプリ開発に使われたり、ウェブアプリ外へも進出していることで知名度が高まっています。 Web開発においてはAngular.jsと用途的に似ていますが、JSXの採用など使用感にクセがあり、エンジニアの中でも好き嫌いがはっきり分かれているように見受けられます。 エンジニアの好き嫌いや設計哲学の違いをさておけば、基本的にWeb開発においてAngular.jsと同じように大規模プロジェクトを安心して任せられるといって差し支えないでしょう。

Vue.js

軽量フレームワークの中で人気があり実績も豊富なのがVue.jsです。 個人で簡単なSPAをさっと作るには便利なので、そういった意味で個人開発者からの支持が厚く、ミニマル思想からも一部ではカルト的な人気を誇ります。 一方で仕事として使うには、他のツールとの組み合わせにかかる様々なチェックやテストが欠かせず、Vue.jsの軽量であることのメリットが享受しづらい点は否めません。 また情報量はフレームワークの中では多いほうではありますが、Angular.jsやReactと比べると一段劣ります。

Angular.js開発の依頼ならAMELAに

Angular.js開発の依頼ならAMELAに

Angular.js開発の依頼ならAMELAに[/caption] 今回は、JavaScriptの人気のフレームワークである、Angular.jsについて見てきました。 フレームワークの選び方次第で、将来的な運用コストや保守性が変わってくることを考えると、そのフレームワークを開発している企業やその可能性、どの程度の機能を備えているのかは重要でしょう。 Googleが開発しているということであれば、まず問題はないでしょうし、多機能なので非常におすすめです。 一方で、「扱える人材がいない」といった悩みがあれば、是非AMELAにご相談下さい。 AMELAでは、こういった最新技術に長けたエンジニアが多数在籍しております。