コールセンターシステムって開発可能?一般的な機能や活用方法まとめ

​​顧客との接点として大きな役割を果たしているコールセンター。 特にBtoCのビジネスモデルの場合には、コールセンターの重要性は非常に高くなります。 コールセンターの役割は近年、より幅広く、大きなものになっており、システム化が重要となっています。 この記事では、 ・コールセンターの機能 ・自社に導入するために必要なこと ・コールセンターで集めたデータの活用方法 について、解説します。

コールセンターの現在

コールセンターの現在

コールセンターの現在[/caption] 1980年代から企業の窓口として活用されているコールセンター。 現在、コールセンターは、その業務内容は拡大し、様々な機能を持っています。

コンタクトセンターと呼ばれている

コールセンターはもともと、電話対応の窓口として顧客の対応を行う窓口でした。 しかし、近年ではその役割は幅広くなり、電話のほか、チャット、メール、FAX、ホームページからの問合せなど、顧客との間に複数のチャネルを持つ窓口となっています。 そのため、現在ではコールセンターではなく「コンタクトセンター」とも呼ばれています。

コールセンターに求められているもの

コールセンターシステムに求められる役割は、 ・顧客の情報管理 ・既存のシステムとの連携 ・オペレーターの管理 ・通話内容の録音 ・顧客の問合せ内容に回答するための支援 などの役割です。 コールセンターシステムは、これらの業務を適正に行うことでコールセンターの業務を支えています。

コールセンターの機能

幅広い業務を行うため、コールセンターには複数の機能があります。 コールセンターの機能について、解説します。

顧客管理機能

コールセンターには顧客の情報を管理する機能があり、CRM(Customer Relationship Management)というシステムがその機能を担っています。 CRMが担う機能は、 ・顧客の情報の記録:氏名、連絡先、組織名 ・これまでの対応履歴 ・オペレーター同士での情報共有 ・情報の検索機能 などがあります。 CRMにより、顧客側には ・適切な案内を受けられる ・待ち時間が減る などのメリットがあり 企業側には ・情報の蓄積:問合せ内容、顧客対応など ・オペレーション業務の効率化 などのメリットがあります。

電話システム機能

窓口となる電話はコンピュータと連携しており、CTI(Computer Telephony Integration)というシステムがその連携を構築しています。 CTIは、電話・FAXをコンピュータと連携させるシステムの総称です。 CTIの機能には、 ・スクリーンポップアップ機能:CRMとの連携により電話番号の情報をもとに、顧客情報をポップアップで表示する機能 ・着信履歴機能 ・電話制御機能:電話を均等に振り分けることで、オペレーターの業務負担を均等にする機能 ・録音機能 などがあります。 CTIを導入することで、顧客側には ・待ち時間が減る ・適切な案内ができるオペレーターに確認ができる などのメリットがあり 企業側には、 ・オペレーターの業務効率化 ・顧客対応品質の向上 などのメリットがあります。

よくある質問機能

電化製品の説明書や、企業のHPなどに「よくある質問」とその回答が掲載されていることがあります。 これはFAQ(Frequently asked Questions)と呼ばれています。 アンケート調査や問合せなどの情報から、よくある質問を抽出し事前にその回答を作成しておくものです。 FAQは、コールセンターでも活用される機能です。 コールセンターには顧客からの問い合わせに関する情報が蓄積されています。 その情報から、よくある質問とその回答をまとめ、 ・問い合わせをした顧客自身が回答を検索する ・オペレーターが活用し、業務の効率化を図る などの方法で活用されています。 顧客側では、 ・オペレーターに接続する時間を待たずに回答を得られる ・事前に作成された、質の高い回答を得られる などのメリットがあり 企業側には、 ・回答の自動化による業務効率化 ・オペレーターの業務負担軽減 などのメリットがあります。

自社に合わせたコールセンターのシステム開発

自社に合わせたコールセンターのシステム開発

自社に合わせたコールセンターのシステム開発[/caption] 自社にコールセンターの導入を検討する際は、業務内容や予算などの実情に合わせたシステム開発を行う必要があります。 コールセンターの機能を構築するためのシステム、自社に必要なシステムの選定について解説します。

コールセンターを構築するシステム

コールセンターの機能を構築するためには、その機能に適したシステムが必要です。 自社でコールセンターを導入する際には、それぞれの機能について必要な機能かどうかを確認する必要があります。 コールセンターを構築するシステムのうち、大きな役割を担っているものについて解説します。

着信呼自動分配

着信呼自動分配とは、コールセンターへの入電を、事前に設定した条件に基づいてオペレーターに振り分ける機能のことです。 着信呼自動分配は、ACD(Automatic Call Distributor)というシステムが管理しています。 ACDは、CTIの一部を担っているシステムです。 ACDが入電を振り分ける条件には、 ・スキルベースルーティング:オペレーターのスキルに合わせて、入電を振り分ける設定 ・ランダムルーティング:対応可能なオペレーターに、ランダムに接続する設定 ・積滞ルーティング:待機時間が最も長いオペレーターに接続する設定 などがあります。 自社に適した条件を設定することで、より効率的で高品質な顧客対応ができます。

自動音声応答

自動音声応答は、その名のとおり、音声により自動的に案内をするシステムです。 IVR(Interactive Voice Response)というシステムが管理しており、コールセンターに限らず窓口業務で幅広く活用されています。 顧客からの問い合わせがFAQに含まれている場合など、直接オペレーターが対応しなくても良い場合には全て自動で業務が完了します。 また、問い合わせ内容を確認し、適切なオペレーターに接続する役割も担っており、業務効率化、顧客満足度に大きく影響する機能のひとつです。

仮想デスクトップ

仮想デスクトップは、VDI(Virtual Desktop Infrastructure)と呼ばれ、オペレーターの数が多い場合に非常に有効的な環境です。 通常、コンピュータは各端末にデスクトップの情報を記録します。 VDIでは各端末上にデスクトップの情報を記録せず、サーバーコンピュータ上に各端末のデスクトップの情報を記録します。 サーバーコンピュータ上にデスクトップの情報があることで、 ・バージョンアップ・メンテナンスなど、管理が一元化しやすい ・各端末に情報が記録されないため、情報の流出が防ぎやすい ・在宅コールセンター業務の環境を構築できる などのメリットがあります。

構内交換機

構内交換機は、組織内で複数の電話機を使用する場合に設置する電話交換機のことでPBX(Private Branch Exchange)と呼ばれます。 PBXは、システムや機能ではなく、着信呼自動分配や自動音声応答などのシステムを構築するための機器のひとつです。 そのため、着信呼自動分配や自動音声応答と同じく、CTIの一部を担っているものと言えます。 そもそも電話交換機とは、電話回線の接続を切り替える機能を持った機器で、電話網を構成するために必要なもの。 PBXの導入により、 ・内線通話 ・保留転送 ・1つの電話番号を複数の電話機で取れる などが可能になります。 コールセンターで使用されるPBXは、自動音声応答や着信呼自動分配など一般的なPBXと比べ必要とされる機能が多いため、コールセンター専用のPBXを使用することが多いです。

必要なシステムの選定するための確認しておくこと

自社のコールセンターに必要なシステムを選定するためには、確認しておかなければいけないことがあります。 事前に確認しておくことについて解説します。

インバウンド・アウトバウンド

コールセンターの業務の種類には、インバウンドとアウトバウンドがあります。 インバウンドとは、顧客からの問合せを受けるコールセンターのこと、アウトバウンドとはその逆で勧誘などの連絡をするコールセンターです。 インバウンドとアウトバウンドでは、必要となる機能に違いがあります。 例えば、自社に必要なコールセンターがアウトバウンドであれば、自動音声応答の必要性は低いです。 インバウンドであれば、着信呼自動分配や自動音声応答の導入について検討する必要があるでしょう。

コールセンターの規模

オペレーターをどの程度の規模で配置するのかも、導入するシステムの選定に大きく影響します。 規模が大きくなれば、着信呼自動分配や自動音声応答の導入により業務の効率化が図れます。 それほど大きな規模でなければ、機能を絞って、より安価なシステムの導入だけで対応可能でしょう。

業務内容

コールセンターが担う業務内容によっても、導入するシステムは変わります。 コールセンターが担う業務には、 ・問合せ ・受注 ・クレーム対応 ・商品案内 などがあります。 例えば、クレーム対応が業務の中心となるコールセンターであれば自動音声応答を控える選択肢もあります。 一方、商品案内では自動音声応答が有効に働きます。

コールセンターで収集したデータの活用

コールセンターで収集したデータの活用

コールセンターで収集したデータの活用[/caption] コールセンターで収集できるデータには、市場ニーズや自社の課題が多数含まれており、マーケティングや課題解決に活用できます。 コールセンターで収集したデータの種類、その活用方法について解説します。

収集できるデータ

顧客との間に幅広いチャネルを持つコールセンターには、複数の形式のデータが集約されます。 ・通話記録から収集される、音声データ ・メールやホームページの問合せから収集される、テキストデータ ・FAXから収集される、PDF等のデータ また、データの内容は、 ・要望 ・質問 ・クレーム ・感謝 など、企業活動の改善に活用できる情報が集約されます。

データ形式の統一

データの形式は、統一することで有効に活用できます。 音声データは、AIを活用することでテキストデータに変換することができます。 音声認識のAIの精度は年々上がっており、現在では統計に活用できるレベルの、精度が高い変換ができます。 PDF等のデータをテキストデータに変換するソフトウェアは、すでに市場に数多く出回っているため問題なくテキストデータに変換ができます。 音声データ、PDF等のデータ、テキストデータは、全てテキストデータに統一されます。

データマイニングによるデータの活用

データマイニングとは、データ解析により大量のデータから新しい知見を取り出す技術のことです。 データマイニングでは、市場の顕在ニーズ・潜在ニーズ、自社の課題の抽出、将来予測ができます。 コールセンターに蓄積された、大量のテキストデータを扱うデータ解析はテキストマイニングと呼ばれる技術です。 テキストマイニングでは、テキストデータという数値ではないデータの解析ができます。 使用される頻度の高い単語、関係性の深い単語の組み合わせなど複数の視点から、大量のテキストデータの解析を行い、新しい知見を抽出できます。

新たなシステムの導入はAMELAに相談を

新たなシステムの導入はAMELAに相談を

新たなシステムの導入はAMELAに相談を[/caption] 今回は、コールセンターという多くの企業で導入されている仕組みを「システム化」するという視点から説明してきました。 単に電話の受け答えができれば良い時代から、 「そのデータをいかに活用するのか」 「いかに顧客の負担を小さくするのか」 「いかにリピートにつなげるのか」 という点が重視されるようになってきたと感じています。 もしも現在、自社のコールセンターを検討中の企業様は、是非一度AMELAにご相談頂ければと思います。 専門のITコンサルタントが、御社に合った提案をさせていただきます。