月額制受託開発とは?特徴からメリット・デメリットを解説

近年、開発形態として注目を集めている「月額制開発」ですが、具体的な特徴やメリットなどを知らない方が多いでしょう。 月額制開発とは、名前の通り「月額費用で業務提供形態を契約するスタイル」のことをさします。 この記事では、より詳しく月額制開発について解説していきます。内容を知りたい方はぜひ最後までご覧ください。

月額制開発とは

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月額制開発とは、開発会社と月額費用で業務提供契約を結び、自社で働いている従業員のような形でチームを管理し、開発を進めていく業務スタイルのことをさします。 業務スタイルは一般的に、請負型開発(納品された成果物に対して費用を支払う)契約が多いです。 しかし、開発物の要件定義を詳細に定める必要やスケジュールの徹底した管理など、1度決定した内容の変更が難しい課題点がありました。 そこで注目されたのが月額制開発です。月額制開発を実施することで、成果物の納品が最終目標ではなくなり、大幅な方向調整など柔軟に対応できるようになります。 また、納期によるプレッシャーも少なくなり、新しいアイデアが生まれやすくなる魅力もあります。

月額制開発が注目される背景

上記で月額制開発の特徴を解説しました。では、なぜ近年「月額制開発」に注目が集まっているのでしょうか?その理由を以下で解説します。

アジャイル型の開発アプローチが定着した

月額制開発が注目されている背景には、スケジュール変更や開発内容の修正に対応できる「アジャイル型開発」の定着が進んだことがあげられます。 最近はトレンドの移り変わりが激しく、開発を進めている段階でもユーザーのニーズが変化するほど動きが盛んです。 従来のウォーターフォール型(要件定義にしたがって開発を行う)開発では、このようなビジネスの移り変わりに対応するのが難しくなっており、柔軟に対応できる開発スタイルの導入が検討されています。 その流れから、アジャイル型開発に移行する企業が増加し、今では一般的な開発スタイルとして認知されているでしょう。 このアジャイル型開発と月額制開発は相性が良く、一緒に実施する企業が多くなったのが理由としてあるのです。

開発と改善の必要性が高まっている

システム開発では、常に継続的な改善を行う必要があります。上記でも説明しましたが、ユーザーの求める内容や課題点は日々変化しており、それらに対応することが開発者としての務めです。 従来の開発方法だと、要件定義をしてから見積もりの実施、内容のすり合わせを経てから開発に着手するため、改善まで数か月ほどかかることも少なくありませんでした。 一方、月額制開発を実施することで、チームごとに施策を検討し開発に移行できるので、スピード感のある改善を行うことが可能です。都度発生した課題に対して、すぐに取り掛かれる点でもメリットがあり、注目が集まっています。

月額制開発を採用するメリット

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ここでは、月額制開発を採用するメリットをご紹介します。次の章で採用するデメリットも解説するので、併せてご覧ください。

仕様の変更に対応しやすい

月額制開発を採用している場合、仕様の変更に対してリクエストが出しやすく、サービス内容の修正などに対応しやすいメリットがあります。 また、仕様の変更に対応してもらえることで、以下のリスクヘッジを実現できます。

  • 市場のトレンドが変わった際の対応が簡単
  • 仮説にミスリードがある場合でも調整ができる
  • サービス内容の詳細が決まってなくても動き出せる

ベンダーとの関係性を構築しやすい

月額制開発では、エンジニアのチームを従業員のように管理するため、自社の一員のような感覚で関係を構築できます。 目標に対する意識も統一しやすく、質の高いサービスの開発を行えるでしょう。

成果物の質が高い

月額制開発は、効率的な開発を実現できるスタイルであるため、成果物の質が高くなりやすいです。 よくWeb開発ではアプリの80%を作るのに2割の時間、残りの20%を作り上げるのに8割の時間をかけると言われています。 どの程度の時間を開発に当てられるのかがサービスの品質に影響するため、妥協をしない効率的な開発を求められるのです。 そのような面でも、月額制開発は相性がよく、会社の利益に直結した開発業務を行えるでしょう。

月額制開発を採用するデメリット

上記では月額制開発を採用するメリットをご紹介したので、ここではデメリットをご紹介します。

ランニングコストがかかる

月額制開発を採用するデメリットの1つが、ランニングコストがかかることです。 契約形態によっては、仕事のプロセスを確認するための管理費用や人材リソースの投資など、さまざまなコストが発生します。 サービスが軌道に乗る前から先行投資を行う必要があり、初期費用は一般的な開発形態よりもかかるでしょう。

ベンダーとの関係性に依存する

月額制開発の場合、毎月業務を行うことが契約内容になるため、開発会社が完成義務を負うことはありません。つまり、中途半端な成果物を提出されるリスクがあります。 ベンダー(契約会社)を強く握ることができないため、強固とした信頼関係を気づいていくことが大切です。

月額制開発の採用で柔軟な開発を実施

この記事では、月額制開発の特徴からメリット・デメリットを解説しました。 社会やユーザーのトレンドにいち早く対応できる特徴や、素早い意思決定を行える特徴がありますが、ランニングコストがかかることなど、デメリットも存在します。 しかし、それ以上のメリットがあるため、気になっている企業はぜひ導入の検討をおすすめします。 今後も実施する企業が増えていくと予想されるので、社会の流れに遅れないためにも視野に入れておくようにしましょう。