リフレクションとは?定義や効果・実施する上での注意点を解説

近年人材育成の分野で取り組みが増えている「リフレクション」ですが、具体的な意味や効果を知らない方が多いでしょう。 そこで今回は、リフレクションとは何か具体的な意味から効果、実施する際の注意点などを解説していきます。これから実施しようと検討している方はぜひ参考にしてください。

リフレクションとは

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リフレクションとは、従業員が普段行っている業務内容について、流れや考え方、行動を客観的に振り返って見直すことを意味します。仕事で失敗したこと・成功したことを一旦考え直すことで、今まで見逃していた気づきを得ることができ、新しい行動へとつなげるきっかけを作ります。 もともとリフレクションとは、組織学習を研究していたドナルド・ショーンが着目した概念です。多種多様な人々を観察した過程から、働く中で現状を振り返り、自分の行動をどう変えていくか検討することの重要性に気づいたのがショーンで、この行動のことを「行為の中の内省」と提唱しています。

「反省」との違い

リフレクションはよく「反省」と混同されがちですが、若干意味が異なります。 反省は単純に「誤り」を正すことで、これまで行った内容に対して、何が悪かったのか自分に問いただし、原因やミスを追求します。 一方、リフレクションは「誤り」だけに焦点を当てるのではなく、フラットな状態で自分自身を振り返ります。今まで行ってきた行動の問題点を見つけるだけでなく、その課題点をどう解決し、この先どのように行動していくか、といった未来志向で振り返ることがリフレクションの特徴です。

リフレクションの効果

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リフレクションは個人の業務改善だけでなく、組織全体の業務改善に役立ちます。具体的な効果は以下の3つがあげられます。

  • 客観的に自分自身を見つめ直し、新しい発見や気づきを得られる
  • 考え方が変わることで行動に変化が生まれる
  • 失敗の経験を次に活かす思考が定着する

リフレクションにより、自分の行動や考えを客観的に振り返ることで、自分の課題点や気づいていなかった強みを知ることができます。これらはチーム全体でも有効で、たとえば、チームに欠けている能力や効率化を妨げる原因の発見など、さまざまな場面で活かすことができます。 また、リフレクションでは自分の考え方を見直すことが可能です。考え方が変化することで行動にも影響していきます。もし現状、課題を解決できず悩んでいる場合は、1度リフレクションを実施し、考え方を見直してみましょう。行動が変わることで、解決の糸口を見つけられる可能性があるので、まずは行動に移してみることが大切です。 アクションを積極的に起こすようになると、「仮説を立てて検証する」といった思考が定着します。この思考が定着すると、仮に失敗したとしても原因を分析し、次はどのように対処したらいいのか考えるようになります。 このように、全体的に進み続ける力を身に付けられるので、リフレクションの実施はどの企業でも必要になってくるでしょう。

リフレクションを実施する際に注意すべきこと

リフレクションの実施の際、注意すべき点がいくつかあります。 まず1つ目は「反省」になってしまうことです。リフレクションでは自身の課題を発見し、将来に向けてどのように改善していくか検討します。あくまで未来志向で考えるもので、現状の問題を見直して終わりではありません。 2つ目は「振り返る視点を他社に向けてしまう」ことです。自分の行動を振り返ることで問題や改善すべきポイントが分かるリフレクションですが、中には「誰の行動によって良くない結果につながったのか」といった視点で問題を突き止めてしまう方がいます。人間関係の悪化を招くので、自分に視点を向けて考えることが大切です。 3つ目は「失敗ばかりに目を向けて次回への活用ができない」ことです。リフレクションを実施することで、現状の問題を明確にし、改善を経て知識への変換を期待します。失敗点ばかりに注目せず、学習することを意識して取り組むことが大切です。

リフレクションの実施で大切なこと

リフレクションを実施する時は、必ず時間を確保しましょう。あわただしい業務の合間にできるものではないため、しっかりと自分を振り返る時間を確保することが大切です。 週に一回、または月に一回個人の時間を設けて、業務に関する考え方や行動を客観的に見直し、現状は上手く仕事を進められているのか把握できる環境を用意しましょう。 継続的にリフレクションを実施することで、自分を振り返る習慣が身に付き、業務効率の改善にも繋がります。

リフレクションにより人材育成の効果を高める

この記事では、リフレクションについて特徴から実施するメリットを解説しました。 従業員自身で行動を見直し、課題点の発見から今後どのように改善していくか検討できるリフレクションは、人材育成の内容としてとても重要なものです。 日々の仕事や経験を学びに活かすことができるリフレクションは、組織全体のパフォーマンスを向上するのにも役立ちます。組織の質を高めるためにも有効な手法なので、ぜひあなたの職場でも取り組むことをおすすめします。