メドテック(MedTech)とは|医療の活用可能性を広げる技術

IT技術は、教育や工場生産などさまざまな領域で活用されていますが、現在は医療の分野でも積極的に活用されています。その中で注目を集めている技術が「メドテック(MedTech)」です。 メドテックとは、医療機器や医療システムにIT技術を組み合わせて、患者の健康維持や健康増進を手助けする取り組みを指します。この記事では、メドテックに関する概要や活用するメリットなど、詳しく解説します。興味のある方はぜひ参考にしてください。

メドテック(MedTech)とは

amela.co.jp news image 1

メドテックとは、医療(Medical)と技術(Technology)を組み合わせた造語で、医療機器や医療システムにIoTなどのテクノロジーを活用した、取り組み全体を指す言葉です。 メドテックが活用される範囲としては、医療機器や診察機器などの機械や道具、システムのほか、サービスなどがあります。 特に最近では、患者の健康維持や健康増進を目的としたモバイルアプリやモバイルデバイスの誕生、インターネット上で提供されている医療サービスなど、著しい発達が目立っています。 また、単純に機器だけでなく、患者の医療データを収集・分析など、情報管理の面でも活用が広がっています。

ヘルステック(HealthTech)との違いは?

メドテックと似た言葉で、「ヘルステック(HealthTech)」というものがあります。ヘルステックは医療の中でも「健康(Health)」に特化技術を指す言葉で、体重計などの家電や体重管理の生活アプリなどで活用されています。

メドテックの活用状況

メドテックの活用状況ですが、既に現場に導入されているものが多いです。例えば、介護施設の場合、高齢者の歩行を補助する時や、リハビリ支援を行う時に介護用ロボットが利用されています。 その他には、医者の教育機器にも活用されています。手術のトレーニングを行うとき、実際に患者を相手にすることはできません。そこでAI技術を搭載した医療装置を活用し、模擬手術を行います。 実際に模擬手術を行った医者の癖やできていない部分、トラブル発生時の対応手順などをデータとして記録するので、安全に技術を磨くことができます。

メドテックを活用するメリット

メドテックを活用するメリットはいくつかありますが、ここでは2つに焦点を当てて解説します。気になっている方はぜひ参考にしてください。

医療の可能性を高める

現在は少子高齢化により、高齢の患者がかなり増えています。そのため、対応できる医師や看護師が少なく、十分な医療を受けられない方がでてくる可能性があります。これらの課題を解決してくれるのがメドテックです。最近では、リモート診断などがあげられるでしょう。遠くの地域や、特に島や村など医療体制が整っておらず、物理的に訪問が難しい場所でも、オンラインで簡単な診察をすることができます。 初期段階で症状が見つかれば、余裕のあるうちに対応できるので、より多くの患者をサポートすることができるでしょう。 また、タブレットなどのモバイル機器を活用すれば、定期的な医療データを集めることも可能です。今まで手の届かなかった患者まで手を伸ばせるようになったため、メドテックは期待されています。

医者の手術時の負担を減らせる

今はロボットによるシステム化が進んでおり、医者の手術時の負担を大きく減らす役割をしています。 内視鏡手術に関しては、ロボットアームを利用することで人の手よりも繊細な動きを実現し、医者だけでなく、患者の身体への負担を減らしつつ手術を行うことができます

メドテックの発達により期待されていること

amela.co.jp news image 2

メドテックにはさまざまな可能性があり、今後の技術の進化で以下のことが期待されています。

  • がん細胞の早期発見
  • 介護ロボットの普及
  • 糖尿病網膜症の早期発見

がんの早期発見

がんの早期発見に関しては、特に期待されています。AI技術を活用したディープラーニングにより、レントゲン画像診断の精度向上を目指すことができます。人の目では見逃してしまう小さな変化や異変を感知してくれるため、がんの早期発見に役立ちます。 現段階では機械学習の準備難易度や精度を高めるためのデータ数など、まだまだ発展途中ですが、現場に導入できるようになると、医療の大きな進歩に繋がるでしょう。

介護ロボットの普及

現在はすでに現場に導入されている介護ロボットですが、普及率はまだまだです。今後はより高齢者の患者が増えると予想されるので、医者や看護師の負担を減らす面でも、介護ロボットの普及率上昇が期待されています。

糖尿病網膜症の早期発見

糖尿病網膜症とは、糖尿病の合併症の一つで診断が難しい病気です。早期発見が難しい症状ですが、メドテックの活用で現状を打破できると期待されています。 2018年に、アメリカで糖尿病網膜症の検出を行うAI機器が承認され、撮影した画像を自動的に分析し、AIが症状があるか見つけます。人の手では困難な初期段階の発見に役立ち、日本でも実用化に向けた開発が進められており、メドテックの期待値は高くなっています

メドテックにより、医療技術が発展していく

この記事では、メドテックについて解説しました。 現在もすでに使われている技術ですが、今まで課題とされてきた問題の解決に役立つ技術で、期待値が高いです。 人の手では難しい診断や、医者や看護師の負担を減らすなど、日本の医療システムを良い方向にサポートするメドテックは、今後も注目を集めるでしょう。