マルチシグとは|基本事項からメリット・デメリットを解説

仮想通貨市場で使われる言葉「マルチシグ」ですが、詳しい意味を知らない方が多いでしょう。マルチシグとは、仮想通貨市場の取引において、セキュリティ対策などさまざまなメリットをもたらしくれるものです。 この記事では、マルチシグとは何かといった概要からマルチシグのメリット・デメリットなど、詳しく解説していきます。興味がある方、仮想通貨に挑戦しようと検討している方はぜひ参考にしてください。

マルチシグとは?

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マルチシグとは、マルチ・シグニチャー(Multisignature)の略称で、仮想通貨の取引で行う署名に複数の秘密鍵を利用する技術のことをいいます。他の署名方法である「シングル・シグニチャー」とは異なり、複数の秘密鍵を使用するのでセキュリティレベルが高いです。 また、秘密鍵を紛失した際の対応も比較的簡単な点で、近年利用されることが多い方法となっています。

マルチシグのメリットとデメリット

マルチシグには数多くのメリットがありますが、一方でデメリットも存在します。便利なシステムなので積極的な利用をおすすめしますが、まずは特徴を理解し、どうするべきか判断できるようにしましょう。

マルチシグのメリット

マルチシグを利用するメリットは3つあります。 まず1つ目が「セキュリティレベルが高い」ことです。通常のシングル・シグニチャーでは1つの秘密鍵を使用してウォレット(財布)を管理します。この場合、使用している1つの秘密鍵情報が洩れる・ハッキングされた時、自身の資産を失う可能性が高いです。 しかし、マルチシグの場合、1つの秘密鍵情報がハッキングされたとしても、2つ以上の秘密鍵がなければウォレットを開くことができず、資産の流出を未然に防ぐことができます。 2つ目が「汚職のリスクを減らす」ことです。企業や取引所では、担当の会計士によってウォレットや取引の管理をすることが多いと思います。会計士が全責任を負うため、中には会計士によって資産の略奪など、汚職が起きるケースがあります。 シングル・シグニチャーの場合は簡単に管理・コントロールができるため汚職が起こりやすいですが、マルチシグの場合は簡単に秘密鍵を使った利用・管理ができず、汚職の機会を減らすことが可能です。 3つ目が「秘密鍵紛失のリスクを減らせる」ことです。取引用のウォレットに秘密鍵を入力しますが、紛失してしまうケースもあるでしょう。シングル・シグニチャーの場合、1つしか秘密鍵がないため、紛失した時のリスクが大きいですが、マルチシグの場合、3つのうち2つあればお金の操作が可能です。 このように、緊急時でも柔軟な対応ができるマルチシグは、多くの取引に使用されています。

マルチシグのデメリット

数多くのメリットがあるマルチシグですが、デメリットも存在します。 まず1つ目は「セットアップに時間がかかる」ことです。マルチシグでは3つの秘密鍵を使用するため、それぞれの準備や管理を行う必要があります。そのため、複数のウォレットを所有すればするほど準備する秘密鍵が増え、セットアップに費やす時間が多くなるデメリットがあります。 2つ目は「サービス料がかかる」ことです。通常のシングル・シグニチャーを利用するのに比べて、複雑な機能なので送金する場合は追加のサービス料金がかかります。 3つ目は「取引所のセキュリティ問題には対処できない」ことです。手間のかかる処理を行いセキュリティ対策を行ったとしても、利用している取引所で情報漏洩はハッキングが起きた時、対処ができません。 特に企業の場合、リスクの損害が大きいため取引所を分散させるなど、もしもの時に備えてリスクヘッジしておくことが大切です。

マルチシグの仕組み

マルチシグの仕組みは「鍵穴と鍵がそれぞれ2つある金庫」をイメージすると理解しやすいでしょう。1つの鍵穴に鍵をさして解除したとしても、もう1つの鍵を解除しない限りは金庫が空きません。この仕組みを利用したものがマルチシグです。 また、マルチシグは単純に鍵穴と鍵が2つあるだけでなく、鍵を開けるときは鍵を所有している人から同意を貰う必要があります。他の人の同意なしで勝手に解除することができないため、セキュリティを高く保つことが可能です。

マルチシグ対応の電子ウォレット

現在は多種多様なマルチシグ対応電子ウォレットが提供されています。以下でいくつかご紹介するので、興味のなる方はそれぞれ調べておくことをおすすめします。

ELECTRUM wallet

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ELECTRUM walletはデスクトップで管理できる電子ウォレットです。対応通過はビットコインのみで、豊富なセキュリティ設定が行えるためビットコインを強固に守ることができます。二段認証や簡易か検証などの機能もあるので、ビットコインを利用している方は1度試してみると良いでしょう。

Copay

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Copayは日本語対応がある電子ウォレットです。PCアプリだけでなくスマホアプリでも提供されているので、利便性が高いサービスとなっています。特徴としては、複数のウォレットを簡単に作成・管理できることやマルチシグ対応、デバイスごとの二段階認証など、セキュリティに優れています。

Nano wallet

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Nano walletはNEMのサービスを利用するのに必要な電子ウォレットです。マルチシグ昨日の搭載や秘密鍵によるデータ復元機能、スマホアプリとの連動など、シンプルで使いやすいサービスとなっています。オフラインでの秘密鍵管理もできるので、セキュリティ面でも安心です。

マルチシグとは、仮想通貨取引を安全に行う技術

この記事では、マルチシグについて解説していきました。 仮想通貨で管理が難しい電子ウォレットですが、マルチシグを利用することで比較的安全に仮想通貨を運用することができます。 ただし、良い面だけでなく準備に時間や手間がかかるといったデメリットもあるので、双方を理解したうえで利用するか検討しましょう。