プロジェクトマネージャーに必要なスキルとは?資格やキャリアプランまで徹底解説!

エンジニアとしてシステム開発に携わっている方の中には、ゆくゆくはより上位の役職への出世を考えている方も多いと思います。その中で、プロジェクトマネージャーを目指している方もいるのではないでしょうか。プロジェクトマネージャーは需要も高く、SEからのキャリアパスとしても人気の役職です。ここでは、プロジェクトマネージャーの仕事内容や、求められるスキル、あると有利な資格についてご紹介します。

プロジェクトマネージャーとは

プロジェクトマネージャーとは プロジェクトマネージャーとはそもそもプロジェクトマネージャーとはどのような役職なのでしょうか?システム開発は「プロジェクト」という単位毎に計画、実行されますが、そのプロジェクトが円滑に進行するように管理し、責任を持つ役職がプロジェクトマネージャーです。プロジェクトマネージャーの仕事は、主に以下の4つです。・顧客との企画・予算や人員、工期の調達と調整・チームの統率と管理・プロジェクト終了後のレビューなどプロジェクトマネージャーの仕事は多岐にわたり、プロジェクトの進行に関わる雑務全般がその内容とも言えるでしょう。

顧客との企画

プロジェクトの初期段階には、顧客との間で打ち合わせを行い、プロジェクトの目的を確認したり、実装する機能の優先順位などを話し合うことで、プロジェクトの全体像を明確にします。

具体的には、どのようなシステムにどんな機能を持たせ、どの程度の予算と納期で作るのか、といった事を擦り合わせていく必要があります。この段階でもしも必要な機能が含まれていない・・・などになれば、後から問題になります。そうなると、お客さんに別途の請求が必要になるなど、プロジェクトそのものに支障が出るだけではなく、会社の信頼にも関わってくるのです。もちろん、立案された企画はプロジェクトのメンバーと共有し、納期や機能などに関して、実際に設計に携わる人員との間に齟齬が生じないよう、注意する必要があるため、社内外問わずコミュニケーション能力が必要とされるでしょう。

予算や人員、工期の調達と調整

開発目的と実現すべき機能が明確になったら、プロジェクトの計画を立案します。

要件定義から設計、開発、テスト、リリース、リリース後の対応など、プロジェクトの各段階をいつまでにクリアするのか、という計画を立てていく必要があります。また、その開発計画に沿って、どの段階でどの程度の人員が必要になるのか、どのようなスキルを持った人員が必要となるのか、といった人員に関する計画を立てたり、必要な期間や予算の計算をします。会社の業務範囲にもよりますが、・この言語しか使えない・この環境でしか経験が無いといった実務範囲の狭いエンジニアは意外と多いです。また、多言語を習得している人や、マルチにこなせるエンジニアは他の案件でも引っ張りだこでしょうから、自分のプロジェクトに参画してもらえるのかは、スケジュール次第になる可能性があります。プロジェクトのスタート前に、そうした人員の確保に加えて、PCをはじめとした実際の開発環境の準備なども必要となります。実際にプロジェクトがスタートしてからは、実際の進捗を正確に把握し、計画との間にズレが生じないよう、またズレが生じた際には調整を行わなくてはなりません。もちろん管理だけでなく、プロジェクトマネージャー自ら開発業務に携わることも少なくはありません。見積もりの方法にもよりますが、一般的にはプログラマーとSEでは、SEの方がより多くの業務範囲をこなすため、1人月あたり(1ヶ月1人が動く工数)の単価が高くなってきます。また、エンジニアに一部分だけ参加してもらう場合と、プロジェクト期間フル参加してもらうのとでは、任せられる範囲や引き継ぎにも違いが出てくるでしょう。そのため、誰をどの程度の期間参加させるのかも含めて細かい調整が必要になります。

チームの統率と管理

プロジェクトチームのメンバーに指示を出したり報告を受けたりと、チームの統率を行い、計画に遅れが生じにくいように管理します。また、メンバー間の人間関係に気を配ったり、他部門や他チームとの連携など、必ずしも技術的なことではない部分も管理する必要があります。私の以前関わった企業でも、案件内でのコミュニケーションの取りやすい・取りにくいがプロジェクトの利益に大きく関わったケースがありました。Aさん、Bさん、Cさんのメンバーと私の4人でのプロジェクトでしたが、AさんとBさんはよくコミュニケーションを取りますが、AさんとCさん、BさんとCさんは中々コミュニケーションを取れていませんでした。結果、AさんとBさんが互いに「この部分の仕様は固まっていたか」「ここの部分の共通関数は存在するか」などをシェアしていた結果、スムーズに開発が進んでいました。一方で、Cさんは他の人とコミュニケーションを取るのが苦手だったため、「完成→手直し」が他の人より多く発生してしまったのです。全員がきちんとコミュニケーションを取れていれば、Cさんの手直し分の工数は損失になりませんでした。この様に、メンバーの特徴や性格を考えた上での管理が必要になるのです。

プロジェクト終了後のレビューなど

プロジェクト終了後には、運用担当への引継ぎや、プロジェクト全体の問題点等をレビューすることになります。開発したシステムの運用が円滑に進むように手はずを整え、また次のプロジェクトに活かすべき注意点などを把握しておく必要があります。更に、今回の案件単体で見るのではなく「会社として」見ていく必要があるでしょう。プロジェクトには、1,2名程度若手・新人が入ることも多く、そういった人員の育成をすることがあります。育成をしっかりとすることで、将来的に企業の戦力になってくれるため、教育は先行投資と言えます。そのため、予算に余裕があればソースレビューをして若手を育てるなどに従事するなど、企業を中長期的に見た上での指示が必要になります。

プロジェクトマネージャーに必要なスキルと資格

プロジェクトマネージャーに必要なスキルと資格 プロジェクトマネージャーに必要なスキルと資格プロジェクトマネージャーの仕事が多岐にわたるということは、それだけ様々なスキルが求められるということでもあります。ここでは、プロジェクトマネージャーに求められるスキルを解説し、あると便利な資格についてもご紹介します。

求められるスキル

プロジェクトマネージャーに求められるスキルは主に、以下の4つです。・開発技術や設計の知識・交渉・提案能力・リソース管理能力・コミュニケーション能力

開発技術や設計の知識

実際の開発業務を主に担うのはSEやプログラマーということにはなりますが、一定の技術力がなければ適切なマネジメントを行うことはできません。人員を揃える上でも、「Aという機能は作る上でハードルが高いので能力のあるエンジニアに」などの様に、その機能を開発する上でのハードルの高い低いを判断する必要があるからです。また、顧客の要望する機能に対して、どの程度の工数や予算が必要となるのかを算定できなければ、顧客との打ち合わせでも十分な情報を提供することができません。例えば1つの機能を作る上でも、・本体のプログラミング言語と同じ言語で作る・過去に作ったシステムを継承して機能追加する・別の最適な言語でマイクロサービス化して作る・既に存在するサードパーティ製のサービスを使う・オープンソースのサービスをカスタマイズして使うなどのように様々な選択肢があります。技術力が無い = この選択肢が少なくなるということになり、他社との相見積もりの際に負けてしまうなどのリスクも高くなります。SEの用意した設計のレビューや、実際のコードのレビューなど、技術力や実際の開発経験が豊富にあれば、具体的かつ的確な指示を出すことも可能になります。

交渉・提案能力

顧客との打ち合わせでは、時に相手の意に沿わない交渉をせざるを得ない場合もあるでしょう。提示された予算が顧客側の要望する機能にそぐわない場合には、予算を増やしたり機能を減らしたり納期を伸ばしてもらったりと、交渉を行う必要があります。相手の要求をただ受け入れるだけでは、プロジェクトメンバーに過度な負担をかけることになったり、成果物のクオリティが低下したりと、プロジェクトの目標達成に支障をきたす恐れがあり、会社の利益にも影響を及ぼします。そのため、相手の要求を受け入れながらもこちらの譲れない条件を交渉したり、お互いに受け入れられるような着地点を提案する、といったスキルが必要になります。

リソース管理能力

プロジェクトのリソースを適切に管理する能力も必要となります。開発を行う人員のスキルのレベルを把握して適切な仕事を割り振ったり、人員の不足によって進捗に遅れが生じているチームには新たに人員を補充したりと、リソースの要不要や得意不得意を把握し、適切な指示を出す必要があります。反対に、フルアサイン(プロジェクトの開始から終了まで固定メンバーの工数を独占するような方法)で5人の人員を確保したのに、実はプロジェクト序盤の段階では調査に多くの工数を割いており、5人の内2人しか必要ではなかった・・・。このようなケースでは、3人分の人件費が無駄になってしまいます。この時、見積もりに3人分の人件費が乗っていればお客さんが損をする事になりますし、その期間3人のリソースを開放していれば、他のプロジェクトでやるべき仕事があったのに・・・という事になりかねません。そのため、リソースの管理能力も必要になるのです。

コミュニケーション能力

プロジェクトメンバーやステークホルダなど、プロジェクトマネージャーは多くの人とのコミュニケーションをとることで仕事を進めていきます。良好な人間関係の構築ができれば、プロジェクトを支障なく進めるのに役立つでしょう。各員と円滑なコミュニケーションをとることができれば、プロジェクトの状況の把握や指示も適切に行うことができ、顧客にもよい印象を与えることもできるでしょう。コミュニケーションが苦手だったり、リーダーシップをとって人をまとめたり人前で話すのが苦手、という方は、プロジェクトマネージャーとしての職務を全うするのは難しいかもしれません。

あると有利な資格

プロジェクトマネージャーに必要なスキルには、交渉力やコミュニケーション能力など、抽象的なものもあります。

そのため、プロジェクトマネージャーを目指す場合には、自分がその役職にふさわしいことをアピールする手段に乏しいと思われるかもしれません。しかし、プロジェクトマネージャーへの転職などを考える場合に持っていると有利な資格もあり、実際の開発経験等と併せて取得を試みる手もあります。ここでは、以下の4つの資格をご紹介します。・プロジェクトマネージャー試験・P2M・PMP・ITコーディネータ

プロジェクトマネージャー試験

プロジェクトマネージャー試験は、IPAが実施している「情報処理技術者試験」の一つです。システム開発におけるプロジェクトマネジメントのスキルを証明するための試験で、予算や品質、スケジュールの管理などについての知識が問われます。合格率は例年15%前後と、高難易度の資格とされており、その分、取得できれば転職等へに有利に働きます。

P2M

日本プロジェクトマネジメント協会が認定しているP2Mは、プロジェクトマネジメントに関する知識を証明する資格で、IT企業のみならず建設業や製造業の業界でも活用されています。複数の種類があり、選択式の試験のみで認定される、比較的難易度の低い試験(PMCやPMS)や、論述と面接試験を課す難易度の高い試験(PMR)もあります。プロジェクトマネジメントだけでなく、プログラムマネジメント(複数の相互に連関するプロジェクトを管理すること)に関する知識の習得にもつながる、という特長があります。

PMP

PMP(プロジェクト・マネジメント・プロフェッショナル)は、アメリカの団体であるPMI(プロジェクトマネジメント協会)によって実施されている試験です。プロジェクトマネジメントに必要な知識を体系的にまとめた「PMBOK」に基づいた試験が行われ、知識や仕事の進め方を問われます。受験資格として実務経験などが求められ、難易度の高い資格ではありますが、海外でのプロジェクトに際してもスキルを証明できます。

ITコーディネータ

経産省推奨の資格であるITコーディネータは、ITと経営とを結びつけ、企業がITを適切に活用できるように支援する人材であるとされています。既に述べたようにプロジェクトマネージャーは、プロジェクトそのものの管理だけでなく、クライアントへの提案なども行います。そのため、経営戦略やIT企画の立案などに関する知識を問うITコーディネータの資格は、プロジェクトマネージャーが持っておいて損はない資格です。

キャリアプランの例

プロジェクトマネージャーになるためには、どのようなキャリアプランがあるのでしょうか。最も一般的な方法としては、プロジェクトのメンバーとして実務経験を積み、リーダーなどの管理職を経てプロジェクトマネージャーに、というプランがあります。システム開発経験が全くない状態からいきなりプロジェクトマネージャーになることはまず無く、プログラマーから初めてシステムエンジニア、プロジェクトリーダーと段階を踏んでいくキャリアプランです。これ以外の方法、つまり、異業種、異業界からいきなりプロジェクトマネージャーに転職する、というパターンは稀で、未経験からの転職が厳しい職種ではあります。開発の実務経験を積みながら、先に述べたような資格を取得するなど、マネジメントに関する知識も蓄えることが、最も確実なキャリアプランと言えるでしょう。

有能なエンジニアならAMELAに

有能なエンジニアならAMELAに 有能なエンジニアならAMELAにプロジェクトマネージャーは、プロジェクトを円滑に行っていく上で必要不可欠な存在です。納期に間に合わせるのはもちろんのこと、設計次第では・メンテナンスのしやすさやメンテナンス工数・業務担当者の業務効率・ユーザーの利便性・売上・経費と様々な部分に関係してきます。そのため、しっかりと経験を積んだプロジェクトマネージャーがいれば、メンバーの能力を最大限に引き出すこともできるでしょう。AMELAでは、単なる開発や導入支援だけではなく、IT人材の派遣業務なども行っています。きちんと教育を受けたエンジニアを派遣してほしいという要望から、顧客の意図をしっかりと汲み取る事のできるエンジニア、しっかりとマネジメントしてくれるプロジェクトマネージャー。御社が今必要だと感じている人材について、是非ともご相談ください。