システム導入の失敗を回避!どうすればシステムはスムーズに導入されるか

現在、多くの企業でDX化を進めているかと思います。 2025年問題なども耳にする事が多いと思いますが、システムの導入はこれからの日本の大きな課題の1つと言わざるを得ないでしょう。 個人的な感覚としても、IT企業やベンチャー企業などは、最先端の技術をビジネスに活用している場面を目にしますが、反対に手作業が残っている企業も多々見かけます。 そんな企業の中には 「システムを導入しても結局使いこなせなかったら意味がないし、損をする」 と感じている人も多いのではないでしょうか。 今回は、そんなシステム導入の失敗について見ていきたいと思います。

システム導入は必須!失敗しないためには?

システム導入は必須!失敗しないためには?

システム導入は必須!失敗しないためには? システムの導入はこれからの時代必須です。 それも、技術の革新が早い現代では、 「様々なシステムを同時に使いこなす必要性」 も出てきています。 ビジネスにおいて重要な事の1つに、 「隙間産業を狙う」 という事が挙げられます。 ファーストペンギンという言葉も有名かと思いますが、ビジネスは一番手と二番手の差が大きく出ます。 業界で最初に出された商品は広く認知されますが、二番手はそれほど知られていないというのはよくある話です。 そして、業界でも一番手になろうと思ったときに、今までの市場ではなく、隙間産業を狙うことが常套手段なのです。 これは、システムの業界でも言えることですが、言い換えるなら 「時代が進むごとに商品やサービスは細分化される」 ということです。 隙間を狙おうと考えれば考えるほど、顧客の細かいニーズを捉えるために、 「〇〇に特化した商品・サービス」 が出てくることになります。 こういった理由からも、一つの会社に様々なシステムが同時に導入される事が当たり前の時代になると考えられます。 だからこそ、システムの導入に失敗しないためには 「新しい環境や仕組みに慣れる仕組み作り」 が重要になってきます。 企業によって細かい状況は異なってきますが、システムを導入するにあたって業務内容が変化することは多いです。 最もわかりやすいのは、今まで手書きだった仕事をデータに置き換える事でしょう。 いきなり全ての紙の資料をデータ化するように命じられても、対応するのは難しいです。 しかし、徐々に影響範囲の小さい部分からデータ化するなど、工夫を行い 「新しい環境や仕組みに慣れる時間」 があれば、多くの企業でシステムの導入が成功すると考えられます。

システム導入の失敗例と改善方法

システム導入の失敗例と改善方法

システム導入の失敗例と改善方法 では、具体的にはシステム導入時の失敗にはどのようなものがあり、どのように改善すれば良いのでしょうか。

最終的なコスト削減につながらない

基本的にシステムの導入目的としては、 ・売上げアップ ・経費削減 ・従業員満足度アップ などの目的があって導入します。 まれに、情報収集という目的でのシステム導入をしている企業もありますが、そういった企業を除けば、何かしらの目的を持っているはずです。 特に、「経費削減」を意識してシステム導入を行う企業は非常に多いです。 しかし、最終的にコスト削減につながらないケースも多いのです。 その理由は「業務の洗い出しができていない」事が多いです。 例えば、 ・業務A ・業務B ・業務C があったとします。 これらの業務の詳細な仕事内容まで、きちんと把握できていると、 「システムを導入することで、業務Aで20分/日削減で、業務Bで1時間/日削減できるものの、業務Cでは削減できない可能性が高い」 といった計算が出来ます。 しかし、企業の詳細な仕事を全て把握するのは非常に困難です。 人数が多くなるほど、各業務担当者しか知らないような業務が出てきます。 一方で、システムの導入を検討するのは、多くの場合情報システム部門ではないでしょうか。 そのため、情報システム部門がきちんと現場の仕事を理解していない場合、導入に関するコスト削減の目測が甘くなります。 その結果、最終的にコスト削減に繋がらない・・・というケースが多いのです。 また、導入のコストについて甘く見ているケースも多く見られます。 例えば、システム導入と一言で言っても ・マスター登録 ・操作方法のレクチャー ・サーバー準備 ・データ登録 ・現行業務との並行運用 ・システム評価 ・自社マニュアルの作成 など、様々な業務が発生します。 特に、「現行業務との並行運用」は、ある程度の期間余裕を持って運用しなければ、もしも移行してしまった後に不都合があった場合には、現場も混乱してしまいます。 そのため、そのあたりをしっかりとベンダーやメーカーに試算してもらう事が重要になります。

新しいシステムの利用が面倒で今までのままの運用になる

手作業をシステムに置き換える場合、 ・パソコンを開く ・ブラウザを開く ・ログインする ・入力をする など、これまでになかった作業が出てくると「面倒だ」と感じる人は多いでしょう。 その結果、今までの運用のままになってしまうケースが見られます。 こういった場合、重要なのは 「トップダウンの指示」 と 「習慣付け」 になります。 パソコン作業に慣れていない人からすると、定期的にパソコンを開く事が習慣になっていません。 そのため、まずは習慣を身に着けてもらう必要があります。 この時に大切なのは ・なぜシステムに置き換える必要があるのか ・導入することで、現場にはどのくらいのメリットが有るのか を明確に提示してあげることでしょう。 そして、人数の多い企業であればあるほど、しっかりとトップダウンで全社的に進めている改革であることを明示することで、導入に成功する例が少なくありません。

導線がわかりにくく使い慣れない

例えばクラウド型のシステムを導入したとします。 その場合、ブラウザからアクセスすることになりますが、複数のクラウドシステムを導入していると 「どこからアクセスするんだっけ」 「どの業務はどのシステムにログインするんだっけ」 という形で、利用する際の大きな障壁となります。 このように、どこからアクセスするのかという導線がわかりにくいと、システム導入失敗につながってしまいます。 対処法としては、自社専用のポータルサイトを1つ用意し、そこに全てのシステムの概要などをわかりやすくまとめておくという方法があります。 例えば、グーグルサイトなどを利用すれば、プログラマーでなくても、簡単にサイトを作ることが出来ます。 そのサイトを、Active Directoryなどを使い、ブラウザを開いた際に強制的にアクセスするサイトとして登録すれば、自社のPC全体で共通の設定にすることが出来ます。 そうすると、手順が統一化されますので、イレギュラーが発生しにくく、問い合わせ件数も減ると考えられます。

導入してからできること・できないことに気付く

自社の業務の洗い出しにも共通してくる部分になりますが、 「導入後に細かい仕様が自社に対応できないと気付く」 という事があります。 実際に私自身が見てきた例では、ワークフローシステムに関するトラブルが有りました。 導入したワークフローシステムでは、改ざんを防ぐためにワークフローとして流す申請に添付したエクセルなどの資料は、差し戻されない限り閲覧権限のみになる仕様でした。 しかし、導入した企業が、どうしてもそのエクセルに追記していきたいという話が、導入後に発覚したのです。 結局、改ざんや内部統制の観点から、エクセルに追記したいと言っていた部分は、別途入力項目として設けることで対応しました。 上記の運用は、特殊な商品の場合のみに適用されるルールの様で、頻繁に起こるものではないため、システム導入前には議題に挙がらなかったため、導入後にトラブルになったのです。 このように、導入してから仕様に気付き、結果として業務に大きな影響が出る・・・という事もあるのです。 こういった失敗を避けるためには、詳細な業務フローの確認とともに、 「本当にその特殊な運用は必要なのか」 ということを改めて吟味する必要があるでしょう。 例えば、完全なサイズの特注商品の影響で、システムの導入が難しいのであれば、ある程度のサイズパターンを事前に用意するようなセミオーダー制に変更できないのか・・・などです。 もちろん、システムを導入する事を優先して売上が下がってしまっては意味がありません。 しかし、反対に特殊な運用ばかりをしているために、 ・人件費が多くなる ・製造ミスによる歩留まり率が下がる など、他の部分への影響が出ているケースもありますので、システム導入をきっかけに、そういった個別対応の運用を廃止するということも、一つのビジネス戦略でしょう。

現行業務のやり方をシステムに合わせられない

前述のワークフローシステムの件では、システムの仕様に従って社内の運用ルールを変更することで対処が出来ました。 しかし、反対に現行業務のやり方を優先して、システムのやり方を無視してしまうと、システム導入失敗の原因になります。 そもそも、システムの開発は ・効率的な業務運用 ・会計処理などの法的に必要な作業 などの必要な機能をまとめたものです。 よほど特殊なケースを除いて、現行業務の運用をシステムに合わせて変化させる方が効率的なのです。 ですが、システムに合わせられずにシステム導入に失敗している企業は多いはずです。 対処法としては、現場だけに任せるのではなく、第三者的に業務を見れる人間が 「特殊な運用の必要性」 を判断することでしょう。 現場の人間の判断だけでは、少なからず 「今までやってきたから」 「この業務がなくなれば自分の社内の立場が悪くなる」 という怠惰や打算によって判断される可能性が出てきます。 客観的な意見を出せる人間が判断することで、こういった失敗を回避できるのです。

多機能すぎて使いづらい

システムを開発している会社としては、同じようなシステムを開発している企業との差別化をする必要があります。 そのため、前述したシステムの細分化に加えて、どんどんと高性能・多機能なシステムが出てきます。 その結果、多機能すぎて使いづらいシステムになってしまっているケースも見られます。 そういったシステムを導入してしまうと、ユーザーも使いづらいと感じたり、操作を誤ってしまうケースがあります。 対処法としては、 「自社に必要な機能は何か」 を明確にし、 「あまり機能が多くないシステムを導入する」 もしくは 「表示をユーザーやグループごとに変えられる機能を持っているシステムを導入する」 ということです。 例えば、Aさんは業務1~3を利用し、Bさんは業務2~4を利用する場合、Aさんのアカウントでログインした際には、メニュー画面に業務4は表示されず、反対にBさんのアカウントでログインすると、メニュー1が表示されていないようなシステムです。 こういったメニュー設定が可能なシステムを選ぶことで、使い勝手によるシステム導入の失敗を避けることが可能になります。

サポート体制が悪い

システム導入後に、操作に関する質問をしたいと感じる場面は多いでしょう。 しかし、システム部門に問い合わせても ・忙しくて後回しにされる ・現場を知らないのでトンチンカンな回答をされる という事が原因でシステム導入に失敗するケースがあります。 そんな時に、自社のシステム部門に質問をするのではなく、ベンダーやメーカーに直接質問できる環境があれば、導入の失敗を防ぐことが可能になるでしょう。

「今」だけで成否を判断するのは危険!

「今」だけで成否を判断するのは危険!

「今」だけで成否を判断するのは危険! システム導入にあたって、どうしても経営陣としては 「費用対効果」 を気にしてしまうことでしょう。 そのため、数ヶ月導入した結果 「コスト削減に繋がっていないから、プロジェクトは失敗だ!」 と判断してしまうケースも見られます。 しかし、単に「今」を見て費用対効果が悪いと感じても、それをシステム導入の失敗として判断するべきではないでしょう。 私が見てきたケースとして、顧客の対応業務がありました。 その業務は、普段1日30分程度かけて、ネットからきた注文を処理していました。 内容としては、ネットで注文された情報を社内の基幹システムに入力するというもので、1日の件数は平均して5件程度です。 在庫の確認と顧客情報の入力で、1件あたり5分ほどかかっていた作業だったのですが、それをシステム化しました。 その結果、30分の作業が20分程度になりました。 システムの開発や調整・メンテナンスも必要になるので、費用対効果としては、それほど重視するべきシステム開発ではないと判断されていましたが、個人的に推し進めたのです。 その時点では、経営陣からは嫌な顔をされましたが、コロナウイルスの影響で、来店が減り、同時にネットからの注文が殺到しました。 当時1日5件だった注文が今では、1日50件程度まで増えたのです。 仮にシステム化を進めていなかった場合、30分の10倍で5時間もの注文処理時間が必要になるわけですが、システム化していたため、20分程度のままで10倍の処理を行うことが出来ています。 このように、件数が少ない間は「費用対効果が悪い」と判断されたシステム化でしたが、注文件数が増えることで「費用対効果が高い仕事」に変化したのです。 このように、「今」だけでシステムの費用対効果を判断するのではなく、将来的なビジネス目標も考慮した上で成否を判断する必要があるでしょう。 他にも、このシステムの導入では、 ・人の判断がなくなったので、ミスが減った ・他の人に業務を引き継ぐ時間や教育時間が減った などの効果も同時にあったため、当時嫌な顔をしていた経営陣も、その効果を認めざるを得ませんでした。

定期的なコンサルティングによってシステム導入はスムーズになる!相談はAMELAに

定期的なコンサルティングによってシステム導入はスムーズになる!相談はAMELAに

定期的なコンサルティングによってシステム導入はスムーズになる!相談はAMELAに システムの導入は、様々な観点から判断する必要があります。 前項でお話したように、単に作業をシステム化するだけではなく、優先順位や業務フローそのものの改善といったコンサルティング的な要素も必要になってきます。 AMELAではITの専門家が、しっかりとコンサルティングを行いながら、導入するべきシステムを選定したり、予算や必要性によって自社開発を行ったりします。 「なんとなくシステム化してしまって、後戻りが出来ない」 「システム導入の効果が思ったほどなくて、経営状況が悪化した」 など、導入後に後悔しないように、事前にしっかりとリスクヘッジしておくことが重要でしょう。 今の会社の状況を少しでも良くしたいと考えている方は、是非ご連絡頂ければと思います。