ETLツールとは?内容から機能まで詳しく解説

ITシステムの導入が推進されている中で、「ETLツール」といった言葉を耳にする方が多いと思います。さまざまな企業から注目を浴びているETLツールですが、実際はどのようなものか良く知らない方もいるでしょう。 そこで今回は、ETLツールとは何か詳しく解説します。加えて利用できる機能もご紹介するので興味のある方はぜひ参考にしてください。

ETLツールとは

ETLツールとは、「Extract(抽出)」「Transform(変換)」「Load(格納)」の頭文字をとった言葉で、企業が扱っている顧客管理システムや販売管理システムなどの基幹システムとデータベースの連携を構築するツールのことを指します。 つまり、企業内にあるシステム間のデータ連携をサポートするツールです。ETLツールでは文字通り、「データ抽出機能」「データ変換機能」「データ書き込み機能」を備えており、ツールを使用するだけでシステム間のデータ連帯を構築できる特徴があります。 また、プログラミングスキルを必要としないため、さまざまな業界の企業で導入が進んでいます。導入目的としては以下のものがあります。

  • 新システムへのデータ移行
  • システム間のデータ連携・開発
  • マーケティング用にデータ分析

シンプルにデータの整理をしたい企業やビジネスで活用するためのデータ分析をするためにETLツールを導入する企業が多いです。特にこれからは顧客理解が重要になってくるので、データを活用した事業展開が進んでいくでしょう。そのような背景もありETLツールの需要が高まっています。

ETLツールの主な機能

ETLツールでは、システム間のデータ連帯を構築するため多岐にわたる機能を実装しています。 数十種類以上の機能を備えたETLツールもありますが、ここでは主要機能3つをご紹介します。

ETLツールの機能①:データ抽出

まず1つ目はデータの抽出機能です。ETLツールではExcelだけでなく、データベースやクラウドデータ、XMLといった多岐にわたるデータを読み込むことができます。抽出時には条件を指定して検索できるので、必要なデータだけを引っ張ることも可能です。 データベースから抽出する場合、SQLと呼ばれるデータベース構築に必要なプログラミング言語を使用することで、より複雑なデータ抽出を行うことができます。 また、現在提供されているETLツールのほとんどは「Oracle」や「SQL Server」「MySQL」など有名なデータベース製品と接続が可能となっているため、幅広い製品とシステム連携を行えます。 上記のように、データベースから直接テキストデータを抽出するだけでなく、ファイルデータを抽出することもできます。深い階層になったファイルデータも見やすい形で抽出できるため、データ加工に必要な情報を効率よく取得できます。

ETLツールの機能②:データ加工

2つ目は企業が保有しているデータを加工する機能です。ETLツールではまず利用するデータを抽出します。抽出したデータはETLツールによりさまざまな形に変換することが可能です。 例えば、「マッピング」といった機能を使うことで、”どの情報がどの項目に該当しているのか”カテゴリーに分けることができます。「軽自動車」「普通自動車」「中型自動車」「大型自動車」「2輪自動車」「2輪大型自動車」といったカテゴリーがある場合、「クルマ:軽自動車、クルマ:普通自動車、…バイク:2輪自動車…」といった具合に、データと項目を関連付けた情報に変換することが可能です。 また、不要なカラム(Excelで言うセル)を削除したり条件を指定して必要なデータだけ加工することもできます。無駄のない操作ができるため、スムーズなデータ構築を実現できるでしょう。

ETLツールの機能③:データの書き込み

3つ目はデータの書き込みを行う機能です。ETLツールでは、抽出したデータを加工し外部のファイルにデータの書き込みをすることができます。 データベースへの書き込みを行う場合は、接続先の情報を登録するだけで入力が完了します。どのフィールド・どのカラムにデータを打ち込むのか細かく設定することが可能で、参照や検索がしやすいデータベースを作成することができます。 もちろんExcelや他の外部データと連帯することも可能なので、さまざまなファイル形式にデータを変換・出力することも簡単です。

その他の機能

データの抽出・加工・書き込み以外にもさまざまな機能を備えています。例えば、ETLツールでは加工したデータをExcelに書き込み、メールに添付して送信することができます。担当者がデータを欲しい形に変換し、社内で共有することで全体の業務効率を向上させることが可能です。 その他にも、プログラミングスキルを所有している社員がいる場合は新しい機能を実装することができます。データベースの構築技術を利用することで、より詳細な条件検索や出力を行えます。この技術を応用すれば、エラーが出た場合でも修正することができ、トラブルを未然に防ぐことも可能になります。

まとめ

この記事ではETLツールとは何か詳しくご紹介しました。ETLツールを導入することで、企業内にある多種多様なシステムのデータ連帯を実現することができます。 保有している、または取得したデータを効率よく活用することで、今まで以上に売り上げを伸ばすことが可能です。企業の成長率を高めるためにもぜひETLツールの導入をおすすめします。