BTM(出張管理システム)とは|導入時の注意点なども解説

近年はさまざまな企業でIT化が進んでおり、多岐にわたるシステムの導入で業務の効率化や売り上げを伸ばしています。その中でも利用が増えているのがBTMというシステムです。 出張時の社員の安全確認や経費の申請など多くの手続きが必要な出張ですが、管理が難しく課題としている企業も多いでしょう。そこで活躍するのがBTMです。 この記事では、BTMとは何か詳しく解説すると共に導入時の注意点など役立つ情報も合わせてご紹介します。興味のある方はぜひ参考にしてください。

BTMとは

BTM(Business Travel Management)とは、出張に関係のある多くの業務を一括管理できるシステムのことを指します。例えば、BTMツールを導入することで新幹線や飛行機の予約やホテルの宿泊予約などをまとめて行うことができます。自動で最適なプランを提供してくれるので、時間や日程などを細かく計算せずに出張の計画を立てることが可能です。 また、出張時に必要な経費を入力するだけで上司のデータベースに登録されるので、余計な手間がかかりません。合計金額の算出や消費税の計算も自動で行われるので、人為的な計算ミスなども少なくなります。 上記のように、出張で必要な経費や宿泊施設・移動手段の管理を1つのツールで管理できるため、従業員の作業量や経理担当者の負担を大きく減らすことが可能です。 BTMといった言葉自体聞きなれないと思いますが、欧米などでは1980年ごろから出張業務の効率化を実現するために導入され始めていました。日本ではまだ認識の低いものですが、DXの流れが来る今後はより一般的になるでしょう。早い段階から導入することで、他の企業と大きく差を付けることができます。

BTMが必要な理由

BTMの導入が必要な理由は、多くの企業が出張管理に関して課題を抱えているからです。

  • 出張の規定を理解していない従業員が多い
  • 出張規定を違反するケースが増えている
  • 危機管理が遅れを取っている企業が多数

一般社団法人日本CFO協会の調査によると、全体の従業員が出張規定を完全に理解していると回答した企業はわずか3%という結果になっています。また、理解が不十分と回答した企業は29%、上司によるチェックが十分にされていないといったことも明らかになりました。(参考:一般社団法人日本CFO協会) 加えて、「旅費規程における違反が発生しているか」の問いでは、【発生している+あまり発生していない(まれに発生する)】の回答合計は75%となっており、コンプライアンス対策の必要性があげられています。

amela.co.jp news image 1 引用:一般社団法人日本CFO協会

上記のようにさまざまな課題がありますが、出張管理を徹底することでどの問題も解決できます。そのためにBTMツールを導入し、正確かつ効率的な管理体制を整えることが重要となっています。

BTMツールを導入すべき企業

BTMツールを導入すべき企業は以下のような企業です。

  • 出張経費を正確なデータにまとめたい
  • コストの管理を徹底したい
  • 出張のルールを整えたい

出張経費を正確なデータにまとめたい

BTMツールを活用することで従業員の出張先や訪問回数・経費などの細かい情報を正確に管理することができます。今までの出張経費を平均値に出して出張費の基準を作成することも可能で、従業員によって偏ることなくデータを集めることができます。 また、各社員にデータを入力してもらえるので経理担当の作業量を減らすことができます。集めたデータはレポーティング機能によりシンプルで見やすいグラフに出力することが可能なので、データの可視化を実現できるでしょう。

コストの管理を徹底したい

上記でも説明しましたが、BTMツールを利用することで今までの出張経費を計算して平均値を出すことができます。そのため、基準以上の経費がかかる場合は何に利用したのか確認することで、不正請求を防ぐことが可能です。 個人単位で経費の管理を行えるのでコスト管理を徹底できます。

出張のルールを整えたい

BTMツールを利用する1番の魅力はルールの厳格化を徹底できることです。システム上で金額の上限を設定できるため必要以上の費用を請求することができなくなります。また、自社の規定に沿った自動チェック機能も搭載されているので違反する従業員が少なくなります。 その他に、マニュアルの作成・配布も可能なので安全な出張を管理することができます。

BTMツールを導入する時に注意点

BTMツールを導入する時の注意点は、社内全体で出張の規定の理解度を十分にしておくことです。BTMツールでは出張経費の請求上限を設定できますが、出張規定を理解していない社員は上限があることに不満を感じることがあります。 BTMツールを導入する時は社内全体にアナウンスを行い、また出張規定を再確認する機会を設けるなどいくつか工夫が必要です。

まとめ

この記事では、BTMとは何か詳しくご紹介しました。出張時の経費を簡単に申請することができるだけでなく、「どの社員がどの場所にどの期間」出張したのか正確に管理できるため、経費の不正利用を防ぐことが可能です。 現在は多種多様な機能を搭載したBTMの提供がされており、どのツールが自社に適しているのかは実際に利用してみないと分かりません。無料で体験できるツールがたくさんあるので、ぜひ気になったものは積極的に試してみてください。